トスバックでは生産管理システムを提供させていただいていますが、そもそも「生産管理」とはいつ頃から生まれた概念なんでしょうか?家内制手工業の頃か、はたまたピラミッドを建設していた頃からなのか…

調べてみると、生産管理が大きく発展を遂げたのは20世紀以降であることがわかりました。
もちろん、それまでにもものづくりの現場では生産管理のような概念は存在していたとは思いますが、それを論文のような形で発表されるようになったのは20世紀以降になります。


アメリカの技術者、フレデリックテーラーは製銅所で働いていた際に、ストップウォッチを使って要素作業の時間を測定、その作業時間分析を行うことで、1日の公平な作業量を決定しました。
この結果を時間研究(タイムスタディー)として1903年に論文として発表。
のちの1911年には「科学管理法の原理」を出版しました。

こちらの書籍は現在でも出版されており、読むことができますので、興味のある方は読んでみるとおもしろいかもしれません。
彼の研究によって、それまでは現場の誰かに任せきりになっていたものが、初めて科学的に分析・管理できる方法が確立されました。

その後、現在の「工場」のイメージとなるフォード生産方式が生まれ、ベルトコンベアに乗って流れてくる部品を順番に組み立てることで、均一な品質を持った製品の大量生産が可能になりました。

第二次世界対戦前には「インダストリアルエンジニアリング」が生まれ、1970年代には入ってからは「MRP」が生まれました。
MRPはとある期間に必要な生産量や在庫、材料がいくらになるのか、といった計画全体の管理から各生産工程を考えていくのですが、MRPの実行にはコンピューターの活用が前提とされていました。
現在、生産管理の場においてコンピューターはなくてはならないものとなっていますが、その前提はMRPが生まれたことによって始まったのです。

1990年代に突入するとコンピューターが高度化し、さらに市場ニーズも多様化したことで、生産管理の方式も多様化していきました。
その進化と多様性は、現在でも絶え間なく続いています。
IoTや人工知能(AI)といった新しい技術も次々に登場しており、この先もその進化は止まることはないでしょう。
100年後、200年後の生産管理は、一体どのようになっているのでしょうか。
怖いような、楽しみなような…こればかりは、神のみぞ知る、ですね。