言葉には、聞くだけて嬉しくなる言葉というものがあります。
例えば「お寿司」…「焼肉」!
…どうですか?なんだか嬉しくなってきませんか?
いや、私お寿司も焼肉も好きじゃないから…
そうですよね…そういう方もいらっしゃいますよね。
ではこれはどうでしょうか…「お給料アップ」
これはさすがにどんな人も嬉しいのではないでしょうか。
普段の頑張りが認められ、お給料がアップする。
お仕事をしている人なら、きっと誰もが嬉しいはずです。
今までより多くもらえる分なにをしよう、明日からまたがんばろう、
そんな風に思いますよね。

しかし、驚くことに人は「お給料アップ」だけでは士気の維持ができないらしいのです。
本当でしょうか?

今から100年近く前、1924年から1932年までアメリカ・シカゴのホーソン工場にて
行われた「ホーソン実験」にその秘密を解くヒントがありました。
実験は、賃金を上げることをはじめ、照明や部屋の温度など、
工場の様々な作業環境を良くすると作業能率はどうなるか?というものでした。
結果はもちろん、作業能率は上昇。
しかし、次に行われた実験は初めに良くした作業環境を悪くすること、でした。
もちろん、作業能率は下降する…そう思いますよね。
しかし、作業能率はやはり上昇したのです。

何故でしょうか?
この実験には、もう一つ秘密がありました。
それは、実験に入る前に工場で働く人々は
「あなたたちは選ばれたんです」「期待しています」「優秀です」
などの言葉をかけられており、
さらに実験は会社幹部や研究者など多くの関係者に注目されながら行われていた、
ということ。
この実験によって「職場の物理的な環境ではなく、人間関係が生産性に影響する」
ということが突き止められました。

実はこの実験、未だに研究方法や結果の解釈には未だに批判や異論があるのも事実。
しかし、注目されていないと最大のパフォーマンスが披露できない、
自己肯定感があって初めて持続力が出る、
というのはみなさんも経験でなんとなく感じるのではないでしょうか。
「お給料アップ」はとても嬉しい言葉ですが、それに加えて
「あなたが大切です」という言葉がセットで初めて
士気が維持される魔法がかかるのかもしれません。

(via リクナビNEXT