ここ数年で「ビオトープ」という言葉をよく聞くようになりました。
小さな空間に水場に植物、生物を集め小さな生態系を作ることで
自然の風景を楽しむことができ、また生態系を学ぶことができるということで、
小学校や幼稚園などの校庭・園庭などにも導入される事が増えてきたようです。
実際、水と植物と生物をぼんやり眺めているだけでなんとなく心が落ち着いてくるものなんですよね。 自然の「基本」が詰まっているからなのかもしれません。

そんなビオトープとよく似た仕組みで魚と植物を1つのシステムで育てる
「アクアポニックス」という農業の形が今、注目を集めています。
アクアポニックスは魚の排出物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収、
浄化された水が再び魚のいる水槽へ戻る、
という水産養殖と水耕栽培を掛け合わせた装置。
無農薬で水やりが要らず、虫がつきにくく、土作りが必要ない、
などのメリットから自宅の庭や室内で楽しむ人が増えているそうなのですが、
このアクアポニックスが今、発展途上国の農業を救う
未来の農業なのではないかと言われているのです。

横浜にある通販菜園会社「おうち菜園」は、
このアクアポニックス技術を応用したオフグリット農場を開発し、
先月、非政府国際協力組織「ヘイファー・インターナショナル」へ納品したばかり。
この農場を一基設置すると、約150人〜200人の食料を生産する事ができると言われており
電力は太陽光と風力のハイブリッド発電機能を備え、
栽培は100%再生可能エネルギーを利用して行う事ができます。
従来の農法に比べ、使用する水の量も少なく、70〜80%の節水が可能。
おうち菜園の社長は、納品先からこれで5万人を飢饉から救える、と言われたそう。
アクアポニックスを広げたいという思いから5年前に設立された、
日本の小さな会社が発展途上国の飢饉を救う事ができるかもしれない。
そう思うと、思わずグッとくるものがありますよね。

「おうち菜園」のサイトを見ると、家庭で簡単にアクアポニックスが
始められそうなセットが販売されています。

動画を見ると、これはまさにお子さんがいる忙しいおうちにこそ
あるべきものなのでは…!と思いました。
お子さんなどと学びながら小さな農業を行ってみるのもいいかもしれませんね。

(via ヨコハマ経済新聞)