SF映画などでよく見られる「未来」の描写で、
見ている風景に情報が重ねられて表示される、というものがありますよね。
主人公は薄いメガネのようなものをかけていて、
あの人物の情報は?と口にすると年齢や性別、出身地や好みなどが表示される、
というような描写です。
わかりやすく「未来」を描く際、よく使われる描写ですが、
今現在、私たちの生活に普及している様子は見られません。

「スマートグラス」と呼ばれるあのメガネですが、
もう何年もスマホの次に広がる情報端末、と言われています。
技術的には現在も利用可能で、実際に製品もリリースされています。
しかし、細かな技術や社会的な課題があり、私たちの生活に普及するには
まだ時間がかかりそうなのが現実です。
しかし、そんなスマートグラスが今、
法人向けの用途に活路を見出し始めているのだそうです。
→「半日かかっていたやりとりが15分で」 スマートグラスを使った遠隔作業支援、水処理大手・オルガノの活用法は?
こちらの記事によると、水処理の現場でスマートグラスが活躍していることが報告されています。
音声や映像を通じて水処理プラント建設現場の監督者が、
本社にいる設計者の指示やアドバイスを受けることで現場で施工に関わる
様々な対処事項をスムーズに行うことができるのだそうです。
映像を見れば現場の作業員が「今まさに どこを見ているのか?」が直感的にわかるので、
指示を出す方も迅速に指示を出すことができ、半日かかっていたやりとりが15分まで短縮できるようになったという話も。

実際に使われているのは、コニカミノルタのスマートグラス「WCc」に、
ブイキューブが開発した遠隔作業支援アプリケーション「SmartEyeSync」。
WCcは、軽量な片眼タイプで、普段着用している保護メガネの上からでも装着が可能。
また、シースルーなので視界を塞ぐことなく、両手を空けることができるので、
作業現場でも安全に使うことができます。
また「SmartEyeSync」には映像に直接書き込める機能があり、
言葉と映像だけでは難しかった詳細なやり取りに役立っているそうです。

現在、様々な現場で人手不足が深刻な課題となっています。
このスマートグラスは明確に作業の負担を減らすことができるため、
これからどんどんと普及していくのではないでしょうか。
まだ私たちの生活には普及してきていませんが、
このように、作業現場などで普及していくことで、
少しずつ形を変えて私たちの生活に普及し始めるのかもしれません。

(via ITmediaNEWS