皆さん、現在日本の最低賃金の目安がいくらかご存知でしょうか?
実は昨年7月、政府は2019年度の全国の最低賃金の目安をそれまでから27円引き上げ、
時給平均を901円とする方針を決めました。
その方針を受け、昨年10月1日より最低賃金額が順次改定されました。
そういえば時給が上がって嬉しい思いをした方もいらっしゃったのではないでしょうか。

現在、901円とされた全国平均の最低賃金ですが、
今から遡ること10年前の2009年、一体いくらだったかご存知でしょうか?
実は、2009年の全国平均最低賃金はなんと701円。
たったの10年で、200円も跳ね上がったことになります。
東京都、神奈川県では1000円を突破、大阪でも964円となりました。
一体、なぜこんなにも最低賃金は上がり続けているのでしょうか?

①働き手不足
人口減少が続いているせいで、企業はパートやアルバイトの時給を上げないと
採用が難しくなってきているため。

②政府が後押し
冒頭でも触れましたが、政府は雇用者側の消費拡大を後押ししようと、
最低賃金の引き上げを行なっているため。

③生産性の向上
企業側としては賃上げは人件費の増加に繋がりますから、
その分をどこかで削ったり、業務効率化を進めるシステムを導入したりして、
生産性を向上させる方向に向かっていくため。

最低賃金制度とは、そもそも最低ラインの生活保障や労働条件の保証、
所得の拡大によって国内の消費を後押ししてもらおうという経済の発展などを
目的として定められているものです。
雇用者側としては大変嬉しい最低賃金の引き上げですが、
雇う側の企業にとっては喜んではいられません。
その為、非正規雇用の採用を打ち切ったり、
生産性を高めるために即戦力になるかどうかを
とても重視する採用に傾いていくこともあるでしょう。

最低賃金の引き上げは、雇用者側としては手元に入ってくるお金は増えるわけですから
喜ばしいことであったはずですが、企業側がそもそも自分を雇うことを辞めてしまう
きっかけにもなりうるというメリットデメリットが背中合わせの策なのです。
最大の目的は賃上げによる所得拡大ですが、そもそもの仕事がなくなってしまうかも、
という心配があっては、なかなか消費を楽しむことはできないですよね。

実は先進国の中ではいまだに最低賃金の低い日本。
雇用者、企業側がwin-winとなるような、
上手なバランスで成長して行ってくれることを願いたいですね。

(via 工場キニナルサーチ)