「モノづくり」という言葉にはどのような意味が込められているのか

2020年 07月31日

皆さんは「モノづくり」とは何かご存知でしょうか?
就職活動の場、仕事の場で耳にする機会が多々ありますが、私たちが言う「モノづくり」とは、いわゆる「職人による匠の技」といった狭い範囲の定義によるものではありません。

「ものづくり」と「モノづくり」では意味が違う?

実はひらがなで書かれる「ものづくり」カタカナで書かれる「モノづくり」は読み方は同じでも微妙に意味が異なります。

ひらがなの「ものづくり」は言葉通り「もの(物)をつくる」ことです。
ここで言う「もの(物)」とは形ある製品のことを指します。

一方、「モノづくり」とは、製品つまり生産物に対し新しい開発方法を考えること、より良いサービスを取り付けることなど、付加価値を吹き込むことを指します。
このとき、生産物が形あるものであれば製造業であり、形の無いものならばサービス業になります。
日本で実際に使われる用法としては「製造業」を指す場合が多いですが、作り手により付加価値が込められるという意味では、製造業とサービス業は「モノづくりの現場」として違いはありません。

また、「モノづくり」は生産するだけでなく、その製品をどう販売するかどう使ってもらうかまで考えることも含まれます。
どのような仕様の製品を作るか、どんな形状にするとより使いやすくなるか、どのようなデザインだとオシャレに見えるかなど…
ただ単に生産するだけでなく、作り手の想いが大きく関わってくるのです。

コップを例にすると、ユーザーはデザインや飲みやすさなど、コップの機能を付加価値として評価します。
このとき、素材がガラスであれ、プラスチックであれ、我々はコップと呼びますよね。
つまり、コップとは付加価値の名前になります。
対して、自然の中で石に水が溜まる窪みがあっても、それは「コップ」とは呼ばず、あくまでも「石」です。
なぜならば、その石には作り手の意図が感じられないからです。

また、モノづくりは、作り手を育てることにもつながります。
製品にどう付加価値を与えるか、どう使ってもらうかという広い視点で「もの」をつくることを考えることで、創意工夫が身に付くからです。
また、工夫を重ねることは、技術力のアップにもつながるでしょう。
モノづくりに試行錯誤して、「もの」の価値を認識し、作ることの楽しさを実感できるようになってほしい。
「モノづくり」という言葉にはそのような想いも込められているのではないでしょうか。

今回のコラムで、モノづくりに従事する方にとって、「ものをつくるということ」を考えるきっかけになれれば幸いです。

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