新型コロナウイルスの感染拡大によって、従来、顧客先に訪問し、対面で行なっていたB to B営業もオンライン上で行われる機会が急増しています。今後、ニューノーマル時代においても、非接触のオンライン営業は継続されていくと予想されています。
顧客へのファーストアプローチはもちろん、クロージングに至るまでのすべてのプロセスがオンラインで完結する商談も大いに増えてくる可能性があります。
ここでは、コロナ禍・ニューノーマル時代においてもオンラインで成果を上げることのできる、強いB to B営業を確立するためのポイントをご紹介します。

まず、自分を知ってもらい、好印象を与える工夫を

これまでのような対面式の営業では、商談を始める前の挨拶や雑談・世間話は、アイスブレークの意味を込めた大切な営業のステップでした。
しかし、オンラインによる商談では、ミーティングの開始前に世間話や雑談を交わす機会がほとんどありません。商談は、いきなり始まってしまいます。
そこで、初めてのお客さまには、会社の紹介や営業案内などを数枚のスライドで紹介しているケースが多いと思います。この時、自己紹介を兼ねた資料を用意しておくのも良いでしょう。人となりを知ってもらうことが、信頼関係を築くための第一歩となります。
また、第一印象が大切なのは、オンラインでも変わりません。身だしなみを整えるのはもちろん、映像の背景やライティングにも気を配りましょう。表情やリアクションも工夫して、オンラインでも熱意が伝わるように努力しましょう。

双方向のコミュニケーションを心がける

オンライン商談では、お客さまは顔を映さずに会話される場合があります。お客さまの表情が分からず、コミュニケーションが取りにくいこともあります。商談を進めることを意識し過ぎるあまり、一方通行のプレゼンになってしまうケースも多く見られます。それでは、お客さまの心に残る商談とはなりにくくなります。
できる限り双方向のコミュニケーションとなるように気をつけなければなりません。
例えば、「ここまでのご説明で、何かご不明な点はございますか」など、相手が発言しやすい雰囲気を作りだすことが大事です。また、相手が理解しているかを、こまめに確認していくことも重要です。
さらに、相手が発言しているときには、ポイントポイントで大きなゼスチャーで頷くなど、こちらの熱意を示すことも大切です。
オンラインだからと諦めずに、できる限り双方のコミュニケーションになるように工夫していきましょう。

オンライン商談に最適化したプレゼン資料を準備しておく

オンライン商談では、資料を画面共有することができます。しかし、画面は大きなスクリーンに映し出す訳ではなく、パソコンの小さな画面で共有していることを意識しておかなければなりません。
これまでの対面形式で使っていたプレゼン資料をそのまま流用することはお勧めできません。シンプルで分かりやすい表現に変えていくことがポイントです。
図やグラフを大きくし、文字のフォントやサイズも最適化していきましょう。パソコンのモニター画面では、色も鮮やかに再現できますので、目にチカチカするような強烈な配色は使わないように心がけてください。
また、オンライン商談では、プレゼンの時間を短くすることも大切です。そのため、少ないページ数で、簡潔な説明を行えるように、内容を吟味して準備していくことも肝心です。

機器やツールの整備、通信環境のチェックも不可欠

オンライン商談では、さまざまなトラブルが起こりがちです。例えば、突然、画面がフリーズしてしまった、音声がとぎれてしまったなど、機器や通信システムでの事故はつきものです。そうした時に、どのように対処したら良いかを考えて、準備しておくことも重要です。お客さま側の通信システムの不具合によるトラブルもありますが、少なくとも、こちら側ではトラブルにならないように、事前にチェックし、整備しておかなければなりません。
また、ヘッドセットやイヤホンマイクを使うなど、お客さまの音声が聞き取りやすく、こちらの発言も明瞭に伝わる機器を使用していくことも大切です。カメラにどのように映るかも、事前に確かめておきます。背景などもソフトウェアで用意し、お客さまに不快な印象を与えてしまわないように注意しましょう。

マーケティング部署との緊密な連携も重要

これからは、WebサイトやLP(ランディング・ページ)などのオンラインを通したお客さまのお問い合わせなどが、新規の営業のスタートとなる場合が増加してきます。
そうしたお問い合わせに対応しているのは、通常、マーケティング部門です。マーケティング部門では、お客さまの問い合わせ内容に適した資料を送ったり、メールでの返信を行っています。
そうした中で、有望な見込み客がいた場合に、営業にリストがバトンタッチされます。そのため、これまで以上にマーケティング部門との緊密な連携が必要となります。
その見込み客のプロフィールやニーズの情報をマーケティング部門から受け取るとともに、営業でのフォロー状況をマーケティング部門にフィードバックして、共にゴールを目指していかなければなりません。見込み客が購買ステップのどのフェイズにいるのかを見極めてアプローチしていくことが大切です。

まとめ

これからは、展示会やイベントで大量の新規顧客リストを獲得することが難しい時代になってきます。オンラインによる新規の商談は、ほとんどがオンライン経由での見込み客となってきます。
オンラインで初対面となるお客さまに対しては、これまでの営業スタイルとは違った対応の仕方が必要となります。従来のプレゼン資料の見直しやオンライン商談に使う機器や通信システムの整備も重要です。
ここでご紹介したポイントをふまえて、新しい時代のオンライン営業のスタイルを、ぜひ、確立していってください。