いまさら聞けない。インダストリー4.0って何?

2021年 06月30日

「インダストリー4.0」は2011年にドイツ政府が公表した国家プロジェクトです。製造業のデジタル化を目指す構想で、「第四次産業革命」とも呼ばれています。
その後、アメリカ、中国、日本でもそれぞれ製造業のデジタル化に向けたコンセプトを提唱しています。日本企業の多くが、DX=デジタルトランスフォーメーションに取組み始めている今、改めて「インダストリー4.0」の意味や原則、主な取り組みの理解を深めておくことは、今後の製造業の方向性を考える上でも大変重要です。ここでは、「インダストリー4.0」の基本をご紹介していきます。

「インダストリー4.0」のコンセプトはスマートファクトリー

「インダストリー4.0」では、製造業でコンピュータをさらに活用していくことをめざしています。AI(人工知能)やIoTなどを積極的に取り入れて、製造業を改革していくことを目的としています。
「インダストリー4.0」の中心的なコンセプトは「スマートファクトリー」です。「スマートファクトリー」とは、機械や人間、その他のあらゆる企業資源を相互に接続し、生産プロセスをより効率化・高品質化させるための概念です。

スマートファクトリーでは、生産設備やデバイス、作業員など多数の要素の各データを的確に把握して、オペレーションを最適化し、生産効率をさらにアップさせていきます。
従来の少品種大量生産から、多品種少量生産、高付加価値製品の生産などへの転換をめざしています。

「インダストリー4.0」とIoTの関係は?

「インダストリー4.0」は、IoTを活用した生産システムのことであると混同されがちですが、厳密には同じものではありません。
IoTとは、製品、部品、生産設備、デバイスなどがインターネットに接続される仕組みを指しています。一方、「インダストリー4.0」では製品、部品、生産設備、デバイスの各要素がインターネットに接続されているだけにとどまらず、それぞれが結びついて連携しながら生産を進めていきます。高度で複雑な相互連携を実現することで、生産オペレーションを最適化・効率化して、生産プロセスを進化させていくことをめざしています。

「インダストリー4.0」でどんなことが実現するのか

「インダストリー4.0」の進展によって製造業でのモノづくりが高度化し、生産モデルも大きく転換していくことが期待されています。それと同時に、サプライチェーンマネジメントや需要予測などにも大きな影響を与えることになります

  • 工場の完全自動化が進む

    「インダストリー4.0」では、工場のIoT化がますます推進され、生産設備、製品、部品、人などあらゆる生産要素がインターネットに接続されます。これによって、工場は完全自動化に近づいていきます。
    「インダストリー4.0」によって工場がスマート化されると、生産現場にいなくても遠隔操作で稼働状況を把握し、指示を出すことができます。人手が必要となるのは設備の点検や故障・トラブルのときだけで、生産現場に何人ものスタッフを常駐させておく必要もなくなります。
    「インダストリー4.0」がさらに進化していくと、遠隔からの指示さえも不要となってきます。生産設備自身が「何を、どれだけ、いつ生産すればよいか」を判断し、実行していくことになるからです。こうした革新が進展していくと、近い将来、工場の完全自動化が実現されていくことになります。

  • 生産プロセスをデータで管理

    「インダストリー4.0」が発展していくと、中小の製造業でもデータに基づいた生産が促進されていきます。大手製造業では、現在、現場のデータを積極的に収集・分析して、生産の効率化に活用しています。しかし、資金力の乏しい中小の製造業ではデータの収集・分析が進まず、熟練作業員の経験やカンに頼っている状況にあります。「インダストリー4.0」では、従来は困難であった工場全体のデータ収集やデータの活用が、企業規模にかかわらず実現します。
    生産現場のデータ化が進むと、工場全体の最適なオペレーションや故障予知が進み、生産品質も安定化していくことが期待できます。当然、工場の生産性も向上していきます。

日本における「インダストリー4.0」の取組みは?

日本では、ドイツやアメリカなど世界の国々よりもやや遅れて、2015年ごろから徐々に「インダストリー4.0」への取組みが始まりました。ドイツでは、国家プロジェクトとして政府と産業界が一体となって取り組んでいますが、日本では、各企業が個々の戦略として取組んでいる状態です。
しかし、政府も「未来投資戦略2018概要」で第四次産業革命の技術革新を取り込んだ「Society 5.0」という構想を打ち出し、生産現場のデジタル化と生産性向上、さらにはSDGsの実現を含んだ計画を推進しつつあります。

まとめ

「インダストリー4.0」では、生産現場にAIやIoTなどのデジタル技術を積極的に導入し、生産品質と効率を向上させていきます。また、製造業のサプライチェーンやビジネスモデルを根底から変革していく可能性も秘めています。 スマートファクトリーによる工場の自動化が進み、製造業がさらに進化していく「インダストリー4.0」。これからも、その進展がおおいに期待されています。


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