プロダクトアウト・マーケットインの 意味や違い、メリット・デメリットを解説

2021年 09月06日

マーケティングの基本概念に、「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という考え方があります。どちらも、B to Cだけでなく、 B to Bも含めて、新しい製品を開発・販売する上で必要となる考え方です。
今回は、プロダクトアウトとマーケットインの意味や、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。

プロダクトアウトとマーケットイン、どう違うのか?

プロダクトアウト・マーケットインの意味や違いについて簡単に解説していきます。

【プロダクトアウト】

プロダクトアウトとは、製品を押しだす(売りだす)という意味です。企業が自社の技術力を活かして製品を開発し、市場に提供・販売していく考え方のことです。
企業が独自に企画し、得意とする技術を活かした製品を開発して提供していくことです。ここには、市場のニーズよりも、作り手や売り手である企業の考え方が反映されており、「良い製品を作れば必ず売れる」という考え方がベースになっています。

【マーケットイン】

マーケットインとは、マーケットの意向に基づいた製品を市場導入していくという意味です。市場調査を行い、市場のニーズを把握したうえで、それに応える製品を開発し、提供していくという考え方です。
今日では、市場の競合が激化しており、必ずしも「技術力の優れた製品を開発すれば売れる」という時代ではありません。
マーケットインは、市場が本当に求めているものを作り提供することで、製品をより多く売っていこうという考え方です。

プロダクトアウト・マーケットインそれぞれのメリット・デメリット

プロダクトアウトとマーケットイン、それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。

プロダクトアウトのメリット

  • 1) 企業の企画力や技術力を発揮でき、社員の士気を高めることもできる
    プロダクトアウトは、企業が独自の判断で、開発したいと思う製品を作って市場に送り出していくという考え方が基本となります。
    自社の固有の技術とアイデアを活かして、競合他社には真似のできない製品を開発していくことは、企業ブランドを高めることにもなります。
    また、新機軸の新製品を開発し、市場導入をしていくことで、社員の士気も高まっていきます。

  • 2) 新製品がヒットして業績が向上する可能性もある
    プロダクトアウトは、基本的には自社だけが持つ独自技術を活用して、市場にはない新製品を開発し、売りだすことになります。
    その新製品が、上手く市場に受け入れられれば、大ヒットにつながる可能性もあります。プロダクトアウトでは、ほとんどが、競合他社が簡単にはキャッチアップできない製品であるため、成功すれば市場を独占することができます。

  • 3) 余計なコストをかけずに短期間で市場導入できる
    プロダクトアウトは、普通、自社のリソースを活用して開発し、市場を開拓していきます。そのため、時間とコストのかかる市場調査や外部機関での製品評価などのプロセスを省くことができます。自社内の判断ですすめられるため、コストを抑えながら、スピーディな市場導入が実現します。

プロダクトアウトのデメリット

  • 1) 思うように売れていかないというリスクもある
    プロダクトアウトでは、市場のニーズに合わない製品を送り出してしまう危険性もあります。高い技術力に頼るあまり、市場が望んでいないようなハイスペックな製品や一部の顧客層にだけに受ける製品を売り出してしまい、売上が思うように伸びない場合もあります。新製品の開発には、少なからぬ期間と経費がかかるため、かなりの損失を出してしまうリスクもあります。

  • 2) 顧客の立場に立たない、唯我独尊の場合もある
    プロダクトアウトは、自社の考え方で進めていくため、時に客観的な見方ができていない場合があります。トレンドを捉えきれずに、時代に対して早すぎたり、遅すぎたりする製品を市場に出してしまうこともあります。
    その場合は、早めに判断して、傷口が広がらないうちに撤退する柔軟さが必要となってきます。

マーケットインのメリット

  • 1) 市場に受け入れられる製品を提供できる
    マーケットインの場合は、あらかじめ市場のニーズをしっかり調査してから、製品を開発しているので、顧客が求めているものを提供することができます。
    それにより、企業に対する期待度や信頼度もアップし、新たな顧客開拓にもつながります。

  • 2) 売上予測が立てやすい
    市場のニーズを把握したうえで製品を市場投入するマーケットインでは、売上の予測が立てやすいことも大きなメリットです。
    市場調査の結果によってターゲット企業や販売ボリュームも予測できることから、マーケティングも的確に行えます。また、経営計画も立てやすくなります。

  • 3) 製品開発のマトが絞りやすい
    マーケットインでは、「市場が求めているもの」=「製品の特長」となりますから、製品開発の方向性が明確です。ある程度のニーズが把握できているので、生産計画も立てやすくなります。

マーケットインのデメリット

  • 1) 爆発的な売上増大は期待しにくい
    マーケットインは、市場が求めるものを提供するわけですから、ある程度の売上は見込むことができます。しかし、革新的な新製品とはなりにくいため、大きなヒットを望むことはできません。
    ただし、企業の製品ポートフォリオとしては、着実な売上が望める製品としてラインアップに加えておくことはできます。

  • 2) 競合製品が登場してくるリスクも
    マーケットインの場合、製品開発には必ずしも特殊な技術は必要とされません。そのため、競合他社でも、すぐに類似の製品を開発することができ、市場の奪い合いになる危険性もあります。競合が激しくなってくると、製品価格の低下を招く恐れもあります。

プロダクトアウトとマーケットインの融合が理想的

これまで、プロダクトアウトとマーケットインを比較してきましたが、実は、この両者は対立している訳ではありません。
プロダクトアウトは顧客がまだはっきりとは気づいていないニーズに応える製品を開発するものであり、マーケットインは顧客がほしいと思っている顕在化したニーズに応えるものです。つまり、どちらも顧客のニーズに応えていることは共通しているのです。

より良い製品を開発して、業績を伸ばしたいと考えるのであれば、プロダクトアウトとマーケットインのどちらかを取るのではなく、それらを融合させて開発をしていくことが重要です。
企業の独自技術を活用しつつ、顕在化している市場のニーズに応える製品を開発していくことが理想です。プロダクトアウトとマーケットインを掛け合わせることで、互いのメリットを延ばし、デメリットを消して、市場のニーズに合ったものでありながら企業の個性も反映された製品を開発することができます。

まとめ

プロダクトアウトとマーケットインの違いやメリット、デメリットを見てきましたが、それぞれの良さと弱点を理解しておけば、市場に受け入れられ、かつ新機軸でもある製品の開発が可能となります。市場のニーズを先取りして、競合他社とは一線を画した製品を市場投入できれば、大きな売上が期待できます。 ぜひ、製品開発力と市場調査力の両輪を強化して、業績アップに結び付けていってください。


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