「ものづくり」=「製造業」?

2017年 07月14日

製造業に携わる人々の間で頻繁に使われる言葉の一つとして
「ものづくり」
という言葉があります。
みなさん、普段の生活でも頻繁に使っているのではないでしょうか。
志望動機などにも「ものづくりに関わる仕事がしたかった」のように使われることが多いですよね。
埼玉県には「ものつくり大学」という大学がありますし(こちらは濁点なしの「ものつくり」ですが)、
東京・世田谷には廃校になった小学校を利用した「ものづくり学校」という施設などもあります。

どれも共通しているのが平仮名の使用して「ものづくり」と表現している点です。
「もの作り」「物作り」のような表現はあまり見かけませんよね。
これは何故なのかいうと、ものづくりという言葉が大和言葉だからなんです。
中国から漢字が入ってきて、日本語として定着していますが、それより以前に使われていた言葉を、大和言葉と言います。
大陸として入ってきた漢字や外来語を訳してできた言葉でないもののことを指しているわけです。
因みに「ものつくり大学」にはなぜ濁点が使用されていないのかというと、大和言葉には本来濁点をふらないものであったということから、現代日本語の慣用表記とは異なる濁点なしの「ものつくり」という表記を採用したそうです。

では、「ものづくり」=「製造業」なのでしょうか?

答えは、NO。
この二つはイコールではないんです。

製造業を英語で表現するとthe manufacturing industry。
manufacturingは製造、とりわけ「工業」としての意味合いが強く、機械を使って作るもの、大量生産するもの、というような意味があります。
industryは産業、業、事業というような意味。
そのような意味を踏まえて考えると、わたしたちが想像している「ものづくり」のイメージとは少し違った印象を受けますね。
「ものづくり」という言葉は、製造業そのものだけではなく、そこで使われる技術や、そこに携わる人々を指しており、単なる「製造業」とは少し違った、もう少し大きな範囲を示す言葉なのです。

現在、日本語の「カワイイ」という言葉やその感覚が、「cute」などの英語とはまた違った、「KAWAii」という一つの言葉として世界で定着しつつあり、日本文化の発信源として注目されています。
「ものづくり」という言葉も、「MONOTSUKURI」という一つの言葉、文化として、世界から注目を集めるようになる日がくるのも、近いのではないでしょうか。

(via ものづくりを知るサイト)

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