個性を生かして生産性を向上させる
2019年 11月29日
就職の面接で「集団での役割は?」と聞かれることがあります。
実際に聞かれたことがある人も多いかと思いますが、
皆さんはそのように聞かれた時にどう答えますか?
これは特にメーカーや商社のように基本的にチームで動く業界でよく出される質問ですが、
決して面接をパスするためだけの質問ではなく、
生きていく中で常に自分に問いかけなければならない質問なのではないかと思います。
家族の中で、学校のなかで、会社の中で。
私たちは多かれ少なかれ集団の中で生きていて、その中で自然と役割を担っています。
自分と違うタイプの人間がいるとイライラしてしてしまったり、
トラブルが起こってしまうこともありますが、
実は集団で一つのことを成し遂げる際には、
大きな視点で見るとその多様性は実は生産性の向上に役に立っている事が多い、
という事も肌感覚として分かっている人も多いのではないでしょうか。
そのような生き物の「多様性」がいかに大切であるか?
という事を証明する研究を千葉大学が少し前に発表をしました。
→自然界も多様性で生産性向上 千葉大、ショウジョウバエで証明
ショウジョウバエの幼虫には、あまり動かずにエサを探す「おっとり型」と、
遠くまでエサを探しに行く「せかせか型」の個性があり、
「おっとり型」と「せかせか型」の個体が混合する集団は、
どちらか一方のみの集団よりも生産性が高いことがわかったそうです。
今回の研究ではエサを探す際に表れる行動の個性の違いが
幼虫同士の競争を和らげることにつながったと見られているそう。
人を含めた生物が、集団での多様性を生産性にどう活かしているのか?
を解き明かすヒントが、自然界の中にあるのかもしれません。
このような研究が進んでいく事で、
私たち自身も個性も活かして生活していけるといいですね。
(via 日刊工業新聞)