総務・人事の負担を軽減して、生産性をアップさせる社内FAQの作り方

2022年 01月26日

社内の各部署から様々な質問を寄せられる機会も多い総務担当者。その回答や関連部署への確認などに手間を取られていませんか。社内FAQを作成して「よくある質問」への回答を用意しておいてはいかがでしょうか。
社内FAQがあれば、従業員は自分の都合の良いタイミングで疑問点を解消できるようになります。このため、社内FAQを作成することで、総務やヘルプデスクへの問い合わせ件数が減るだけでなく、社内の業務全体を効率化することができます。
ここでは社内FAQの意味やメリット、作り方のポイントや運用方法について解説します。

社内FAQとは?

「FAQ」とは、「Frequently Asked Question」の略で「よくある質問」を意味しています。これに「社内」がついた「社内FAQ」は、従業員から寄せられるよくある質問のことです。例えば、従業員からは「有給休暇の申請方法を教えてほしい」とか「経費の計上方法が分からない」などの質問が頻発していませんか。
日々の企業活動の中で、休暇の取得方法や福利厚生の申請方法、経費精算方法など、多岐にわたる質問が担当部署に寄せられています。そんな時、事前に「社内FAQ」に質問とその回答が用意されていれば、従業員が自ら疑問を解消することができます。担当部署にとっても、それだけ業務の削減ができることになります。
テレワークの導入により、オフィスで気軽に同僚や先輩に質問することができにくい状況も増えてきており、「社内FAQ」への期待はこれまで以上に高まっています。

社内FAQの5つのメリット

社内FAQを導入することで多くのメリットが得られます。ここでは、主な5つのメリットをご紹介します。

  • (1) 担当部署の業務負担が軽減できる

    総務や人事、情報システム部などには、毎日、従業員から多くの質問・問い合わせが寄せられています。なかには、「社内だから」という気軽さから、少し自分で調べればわかるようなことも問い合わせてくる方もいます。担当者は、似たような質問にも、その都度答えなければならず、多くの時間と労力がさかれてしまっています。
    「よくある質問」に対しては、社内FAQで従業員自身に解決してもらうことで、担当部署の負担は大きく軽減できます。その結果、担当者は、難易度の高い問い合わせ対応に集中することができます。

  • (2) 業務の属人化が防止できる

    従業員の質問内容によっては、その部門の特定の担当者でしか答えられない問題もあります。そうした問い合わせへの答えも社内FAQに掲載しておくことで、業務の属人化を防ぐことができます。また、社内FAQ作成の過程を通して、担当部署内でもナレッジ・ノウハウを共有することができます。そのため、担当者が休暇を取りやすくなるという利点も生まれます。

  • (3) 休日や夜間でも疑問を解消できる

    社内FAQは、担当部署だけでなく、従業員の多くにもメリットがあります。もし、残業中や夜間の勤務中に問い合わせたいことが出てきても、総務や人事は業務時間外となってしまい、翌日または休み明けまで待たなくてはなりません。しかし、社内FAQが用意されていれば、場所や時間を選ばずに疑問や質問をすぐに解決することができます。

  • (4) 従業員の満足度も向上する

    従業員の皆さんにとっては、すぐに回答が欲しいから担当部署に問い合わせているわけです。しかし、担当部署が多忙だったり、よく調べなければ答えられない内容だったりした場合、何時間か何日か回答を待たなくてはならないこともあります。
    社内FAQでは、ほとんどの疑問や質問がその場で解決できます。このため、従業員はストレスなく、自分のペースで効率よく仕事を進めることができ、満足度も向上します。

  • (5) テレワーク時でも疑問が解消できる

    テレワークでは、先輩や同期と顔をあわせる機会も少なく、手続きや申請の方法を気軽に教えてもらうことができにくくなっています。社内FAQがあれば、テレワークをしている従業員も、自宅に居ながらその場で疑問を解消することができます。

社内FAQの作成方法

多くのメリットがある社内FAQですが、作成するのにはいくつかの方法があります。ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。

  • (1) エクセルで作成

    エクセルを使って手軽に社内FAQを作成することができます。各セルに質問と答えを入力していくだけで社内FAQが完成します。ただし、検索機能を付けることはできません。また、項目が多くなってくると、使いやすさの面でも課題が出てくるかもしれません。

  • (2) FAQ作成ツールを使う

    FAQの作成に特化したツールを導入すれば、プログラミングなどの専門知識がなくても使いやすい社内FAQを作成することができます。キーワード検索機能を付けることもできます。また、カテゴリーごとの分類も容易です。利用料金は上がりますが、解析ツールが付加されているものもあります。解析ツールでは、従業員が頻繁に問い合わせてくる項目などが分かり、社内FAQをさらに使いやすく充実させるためのデータを収集することができます。

  • (3) チャットポットを活用する

    顧客向けのFAQで利用されることの多いチャットポットですが、もちろん社内FAQにも活用できます。チャットポットでは、チャットに質問を入力(選択)すれば、疑問に対してすぐに正しい答えを得ることができ、検索の手間も省くことができます。ただ、チャットポットは運用しながら学習して精度を高めていくシステムなので、使用頻度の低い場合は精度を向上させることは難しくなります。

社内FAQを作るための3つのステップ

どの作成ツールを使う場合でも、社内FAQのコンテンツは次の3つのステップで作成していきます。

  • STEP1 質問の多い項目をリストアップする

    日頃、従業員から問い合わせが多い質問をピックアップして、ジャンル分けをします。この時、質問はできる限り細分化しておくと従業員にとっても使いやすい社内FAQとなります。

  • STEP2 質問に対応した回答を作成する

    社内FAQに盛り込む質問がリストアップできたら、その回答を作成していきます。簡潔で分かりやすい文章にするように心がけ、必要に応じて画像や動画を挿入しておけば、より分かりやすくなります。

  • STEP3 運用を開始し、定期的に更新していく

    社内FAQの質問と回答が出来上がったら、社内に公開して運用を始めていきます。スタートした後も、定期的に見直して更新していくことが大事です。従業員に古い情報を伝えてしまわないように、社内FAQのコンテンツは常に最新のものにしておきます。また、従業員から指摘された不都合や誤記は、その都度、スピーディに修正していきましょう。

社内FAQを作成する時の留意点

社内FAQを多くの従業員に活用してもらい、社内に普及させるためには、作成の時に留意しておく点が幾つかあります。

  • ・簡潔で分かりやすい文章に

    専門用語や特殊な言葉はなるべく使わずに、簡潔で分かりやすい表現を心がけましょう。社内FAQは、従業員が疑問を担当部署に問い合わせることなく、自分で解決するためのツールです。経理や総務、情報システムの部署ではない一般の従業員がすんなりと理解できる文章でなければ意味がありません。

  • ・検索頻度の高いキーワードを使う

    質問・回答のいずれにも、従業員がよく検索しているキーワードを盛り込みましょう。同じ意味でも、検索頻度の少ないキーワードでは検索してもヒットしない可能性があるためです。キーワード検索機能を設けて結果を集計すれば、従業員がどのようなキーワードを使用しているかが把握できます。

  • ・従業員の視点に立って作成する

    使いにくく、思ったような回答の得られない社内FAQでは社内に普及していきません。「質問をカテゴリー分けしておく」「頻度の高い質問を上位に表示しておく」など、従業員の視点に立った構成にすることが重要です。従業員が欲しい回答をすぐに見つけられることはもちろん、関連性のある回答も表示できるようにするとよいでしょう。操作性の高い社内FAQを作成しておけば、従業員の使用頻度も高まり、社内への普及も進みます。

失敗しないための運用方法

社内FAQは、作成するだけでなく、従業員の皆さまに活用されてこそ、価値のあるものとなります。ここでは、失敗しないための運用方法をご紹介します。

  • ・認知度を上げて、活用頻度を高める

    社内FAQを作成したら、まず、その認知度を高めなければなりません。作成中と完成後、ステップごとにこまめに社内にPRをして、期待感を醸成しておきましょう。また、社内FAQにアクセスするためのバナーなどを従業員用のイントラネットのトップページに配置しておくことも大事です。
    社内FAQ完成後にも、従業員から電話やメールでの問い合わせがあると思われます。その時は、次回は社内FAQを利用してもらえるように、丁寧に案内を付け加えておきましょう。

  • ・常に現状を把握して改善していく

    社内FAQが稼働を始めたら、常に、定量的な分析を行い、現状を確認しておくことが大事です。閲覧数、検索頻度の高いキーワードなどを把握して、問題点があれば、すぐに改善しておきましょう。また、社内FAQに掲載されているにも関わらず、実際の問い合わせの多い項目については、早急にその対策を考えていく必要があります。社内体制や就業規則などに変更があった場合は、速やかに社内FAQに反映させておかなければなりません。

まとめ

社内FAQを導入するメリットや作成方法、留意点、運用の仕方などをまとめてご紹介しました。社内FAQは担当部署の業務負担を減らすだけでなく、従業員の皆さまの業務効率のアップにも貢献します。今求められているテレワーク対策の一つとしても有効です。この記事をご参考に、社内FAQの導入を検討されてはいかがでしょうか。



[参照URL]
Somu-lier [ソムリエ] / toasterteam

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