生産管理の転職事情。生産管理職の内容や実情まで解説
2022年 04月21日
未経験から生産管理職を希望する方は少なくありません。しかし、そういった方で生産管理の仕事内容を詳しく説明できる方は多くありません。この記事では、生産管理の仕事内容や、転職事情、キャリアアップまで詳しく解説していきます。
生産管理とは?
ものづくりの現場では、具体的な生産計画や指示に沿った生産が行われておりこれを管理するのが生産管理です。生産管理とは、製造業において受注から納品までを管理する重要な業務です。工程や部署が細かく分かれ多岐にわたる大企業だけでなく、中小企業も生産性を上げるために必要な業務になっています。
生産、製造計画は主に「品質(Quality)」「原価(Cost)」「納期(Delivery)」という三つの要素から成り立っています。これらは、それぞれの頭文字を取ってQCDと呼ばれています。
生産管理の目的は、高品質な製品を(Q)、原価を低く抑えて(C)、短い期間で作る(D)ことを目標とし自社製品の競争力を上げ顧客満足度、ひいては売り上げにつなげていく重要なものだという事を知っておきましょう。
生産管理の仕事内容
生産管理の仕事内容は、マーケティング部門などが作成した販売計画に基づいて市場のニーズを予測し生産計画を立案し、原料や材料の仕入れ先決定から価格の交渉、納期管理や実際の生産活動、在庫の過不足管理など多岐にわたります。
生産管理職の魅力
生産管理職の魅力は多くありますが、ここからは、主に下記の4点に注目していきます。
1. 業務経験を後のキャリアに役立てられる(つぶしが効く)
2. 自分の作った商品が市場に出回り、それを手に取る経験ができる
3. ものづくりの醍醐味を味わえる
4. 人脈を広げられる
業務経験を後のキャリアに役立てられる(つぶしが効く)
生産管理を経験することで、製造工程を管理するという職務経験が得られます。自社の商品がどういう工程を経て、どのようにつくられるのか、どこに強みがあるのか、どのような消費者に支持されているのかなど全てを知ることができるのです。
会社勤めのサラリーマンは、会社から人事異動を命じられることが多々あります。しかし、生産管理で培った知識があれば、どんな部署に配属となってもすぐに第一線で活躍できるようになるでしょう。
生産管理で必要なスキルである全ての業務を見渡す視野は、部下を指導する立場の管理職に昇進する際にも非常に強力な武器になります。チャンスをものにすれば、役員まで昇進する可能性もあり経営側に回るようなキャリアアップもあるでしょう。
自分の作った商品が市場に出回り、それを手に取る経験ができる
製造業の中には、普段の生活の中で自分が関わった商品を目にすることがあります。ある特定の工程しか関わらない現場よりも、商品製造のすべての工程に携わる生産管理は出来上がった製品に愛着が湧きやすいです。
例えば、街中で実際にその商品を使っている場面に出くわす、テレビCMやラジオCMなどが流れたとき心の中に喜びと達成感がこみ上げ、自分の仕事が世の名の役に立っているという誇りが湧き上がってきます。これは、生産管理ならではのやりがいと言えるでしょう。
ものづくりの醍醐味を味わえる
製造業は、字のごとくモノを製造することが主な仕事であり、モノを作ることによって収益を上げています。
その中で生産管理部門は、原材料の調達から完成品の出荷まで全ての製造工程に携わる業務内容です。契約を取る営業や新しい製品を企画する企画部、経営のかじを取る役員や社長などの経営陣よりもプロジェクトの根幹に関わる部門と言えます。
そういった意味でも、他のどんなセクションよりもものづくりに深くかかわり、ものづくりの醍醐味を味わえる職種と言えるでしょう。
人脈を広げられる
生産管理部門は、社内のあらゆる部署とかなり頻繁にコミュニケーションを取らなくてはならない部署です。新商品の開発時には、営業部門や企画部門と生産量や納期などを打ち合わせます。
調達部とは仕入れ先の決定を話し合い、完成品の検査は品質管理部や品質保証部とともにとり行っていきます。技術的な問題点が発生した場合は、設計部門と協議を重ね、在庫の過不足や管理は経理部門と協議することがあるのです。
これだけ多くの部署と密にかかわることで、否が応でも知り合いが増えてそれが後に人脈になっていきます。困ったときに様々な部署に顔が効くというのは、スムーズに問題が解決していくのに役に立つことなのでかなり大きなメリットと言えるでしょう。
生産管理から生産管理への転職
生産管理は特殊な技能なので、AメーカーからBメーカーへの生産管理に転職する場合失敗は少ないと言えます。同業他社や似たような製造の仕事であれば、給与のアップが見込めます。
また、生産管理部門は欠員が出た場合他部署から全くの未経験者を補充することも少なくありません。そのため、即戦力の生産管理経験者は転職時に重宝されることが多いでしょう。
未経験で生産管理職へ転職は大丈夫?
生産管理は、総合力が求められる仕事のため絶対に必要な資格やスキルがありません。ただし、即戦力採用をしている企業が多いので未経験からの転職はハードルが高いです。
未経験で生産管理職に就きたい場合、部品調達部での資材や原材料購入の経験や商品開発部で開発経験があれば採用の可能性がぐっと高くなります。
しかし他部署や他社とのやり取りの経験がなく、あまりコミュニケーションを必要としない職種の経験しかない場合は難しいでしょう。
生産管理職の大変なところ
生産管理は魅力的な仕事ですが、良いところばかりではありません。ここでは生産管理職のデメリット、大変なところをご紹介していきます。
納期に追われ続ける
企業が作る製品には必ずと言っていいほど納期というものが設定されています。その納期について、責任が発生する部署が生産管理です。
現場では予期せぬトラブルが日常茶飯事です。そのせいで予定通りに生産が進まない場合も多々あります。
そんな時でも生産管理は、解決策を模索し納期までに商品を用意しなければなりません。
納期を常に意識し、精神的プレッシャーを受け続けるのが生産管理の大変なところです。
柔軟な対応が求められる
昨今は、情報化社会で目まぐるしく売れる商品の傾向が変わってきます。流行品があっという間に時代遅れになるなんてことは頻繁に起こります。
このような状況の変化に合わせて、臨機応変な対応が求められるのも生産管理の仕事の大変さでもあります。
始めに立てた生産計画に固執することなく柔軟な対応をし、会社の利益を最大化していかなくてはなりません。そこには、経営者的な視点も必要になってくるでしょう。
生産管理が向いている人は?必要なスキルは?
生産管理に限らなくても仕事には向き不向きがあります。ここでは生産管理の仕事が向いている人の特徴をお伝えします。生産管理への転職を考えている方は是非一読してみてください。
ものづくりに興味がある人
生産管理に向いている人は第一にものづくりに興味がある傾向があります。製造現場を管理する職務ですので、製造に興味がなければ仕事に関心を持って働くのは難しいと言えます。
また、向上心があり積極的に新しい知識を身につけようという人も向いているでしょう。生産管理は、覚えるべき知識やスキルがたくさんあります。ものづくりに興味がある人なら、積極的に覚えるべき知識やスキルを習得して活かせるでしょう。
物怖じしないコミュニケーション能力
生産管理の仕事は、さまざまな部署のさまざまな役職の方とコミュニケーションを取らなくてはなりません。
そのためどのような立場、年齢、部署の人でも物おじしない人が向いていると言えます。
また、交渉力や問題解決能力などのより高いコミュニケーション能力がある人はかなり即戦力として活躍できます。
広い視野、観点を持つ人
生産管理は、必要な材料や部品の調達から作業員の配置、トラブル対応など製造に関する全てのことを把握する必要があり俯瞰的に状況を判断する必要があります。また、長期的な視点、短期的な視点の両方から計画を立てて円滑な生産活動を実現していかなくてはなりません。
そのため、目の前のことをコツコツとこなすのが得意な方よりも、全体を見て物事を判断できる方が向いています。
コツコツ勉強できる人
現場にただ改善を求めている生産管理では信用されません。現場の状況を把握し、知識を駆使して行動や方針を示す必要があります。
そのためには現状に満足することなく、どん欲に知識を蓄えアウトプットしていく必要があるのです。コツコツと勉強し実践していける人は、生産管理として成功や信頼を得ることができるでしょう。
まとめ
記事をここまで読み進めてみて下記の4つが分かったかと思います。
1. 生産管理の仕事内容や魅力
2. 生産管理の転職について
3. 生産管理の大変さ
4. 生産管理に必要なスキル、向いている人
生産管理は難しい仕事ですが、非常にやりがいのある仕事です。チャレンジしてみたい方や生産管理1年目の方は、自分の能力を磨きつつ頑張ってみてください。
参考URL
生産管理・SCM経験者にオススメ転職先とは?オススメの理由を徹底解説 – KOTORA JOURNAL 生産管理の転職事情ってどうなの?転職のプロが徹底解説! | すべらない転職 (axxis.co.jp) 生産管理の仕事内容とやりがいは? | 転職マニュアル (tenmanual.com) 生産管理のやりがい・楽しさ・魅力 | 生産管理の仕事・なり方・年収・資格を解説 |キャリアガーデン (careergarden.jp) 生産管理のつらいこと・大変なこと・苦労 | 生産管理の仕事・なり方・年収・資格を解説 | キャリアガーデン (careergarden.jp) 生産管理とはどんな仕事? 生産管理の魅力や向いている人の特徴を解説!| GROP派遣・アルバイト・正社員の求人