生産管理におけるIEとは何?

2024年 04月29日

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生産管理の業務についているとIEという言葉を耳にすることがあるかと思います。

この記事では、そんなIEについて解説していきます。

目次


IEとは?

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IE(Industrial Engineering)は、1900年初めにアメリカの技術者兼経営学者フレデリック・テーラーによって提唱され、その後日本の大手企業でも広く一般化しました。

IEは、作業や工程を科学的に分析し、経営上のさまざまな問題を工学的な手法を用いて合理的に推し進めることを目指します。

またIE活動は、業務を改善することを中心に展開されます。

具体的な活動としては、特定の工程や作業内容だけでなく、組織のルールや資産管理の仕組みなど、経営に関わるさまざまな要素を最適化することです。

IE活動の目的は、効率的で効果的な業務遂行を実現することにあります。

これによって、予算から原価管理、生産技術の開発や効率化など、経営上のさまざまな課題を解決することが可能です。

また、IE活動は生産の時間的管理や効率の徹底、一貫生産の管理をスムーズにするための計画も含まれます。

ただし、IE活動を成功させるためには、社員の積極的な協力が不可欠です。

現場の声を十分に取り入れ、業務改善を進めることが重要です。

また、IE活動は一度きりの取り組みではなく、日々の分析と改善を継続的に行うことが求められるでしょう。

IEの7つ道具とは

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製造関係でいえばQCの7つ道具などは耳することが多いと思いますが、IEにも7つ道具と呼べるものがあります。

ここからは、そんなIEの7つ道具をご紹介していきます。

時間分析

時間分析は、作業の時間的側面から重点的な観測を行い、ムダを排除して作業時間の効率性を高める手法です。

時間分析では、作業員の業務内容に基づいて標準時間を設定します。

標準時間とは、一般的なスキルを持つ作業員が一定の品質を保った製品を作るのに必要な時間のことです。

作業の終了目安として役立ち、スケジュールの立案にも活用されます。

また、経験の浅い作業員にとっては、熟練度の目安にもなるでしょう。

標準時間の設定には、ストップウォッチを使用して測定する方法があります。

標準時間をすべての工程に適用することは現実的ではないため、重要な工程にのみ設定することが一般的です。

また、過去に分析した類似工程の標準時間を参考にすることも可能です。

動作分析

動作分析は、作業員の動作内容を詳細に分析し、経験や知識の熟練度に応じて生じる技術的な差異を把握し、最適な人員配置や作業内容、スケジュールなどを見極める手法です。

作業や動作を徹底的に分析し、無駄な動作を可視化して改善を進めます。

これにより、作業プロセスの最適化や効率性の向上が図られます。

例えば、業務に不慣れな作業員は、経験者に比べて動作が緩慢であり、負担も大きい場合があるでしょう。

そのため、彼らには別途の管理やサポートが必要とされます。

具体的な対策としては、研修の実施、マニュアルの熟読、経験者のサポート配置などが挙げられます。

工程分析

工程分析は、原材料から製品に至るまでの製造の流れを分析し、工程全体のムダを削減して改善を図ることです。

生産工程や作業方法を加工、運搬、検査、停滞の4つに区分し、工程順序によって図表表示します。

問題となりそうな工程の時間、距離、方法を改善してリードタイム短縮やコスト削減を実施します。

作業分析

作業分析(動作分析)は、疲労が少なくかつ効率的で経済的な動作の順序や組合せを見つけ出す手法です。

作業や動作を徹底的に分析し、ムダな動作を可視化して改善を進めます。

レイアウト分析

レイアウト分析は、工場内のレイアウトを最適化し、生産性やコストを向上させます。

工場建屋や設備配置、材料置場などを最適に配置することで効果的な生産が可能です。

マテハン分析

マテハン分析は、物流の中で手作業による作業を分析し、ムダな工程を排除して効率化を図ります。

具体的には物流工程分析を行い、改善点を洗い出します。

マテハン分析をすることで梱包、移動、積込などのコスト増となる大きな要因を効率化することが可能です。

事務工程分析

事務工程分析も同様の手法でムダを排除し、コスト削減を行います。

工場と同様の改善手法を用いて事務のムダを徹底的に排除します。

IEを生産管理に活用する際のポイント

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IEを生産管理に活用する際のポイントは、生産管理システムの導入です。

生産管理システムは、納期管理や在庫管理などの生産工程を一元で管理するため、IEの効率化に役立ちます。

このシステムを導入することで、管理コストの低減や業務効率の向上を目指せます。

特に、エクセルで生産管理を行っていた場合は、積極的に生産管理システムを活用することで、直感的な操作や情報の共有が容易になり、業務効率を大幅に向上させることが可能です。

まとめ

生産管理にIEを取り入れることで業務効率を改善することができます。

業務効率にお悩みの方は、取り入れることを検討してみてはいかがでしょう。

参考URL
IE手法の7つ道具(動作分析、工程分析、作業分析、稼働分析等)で改善を進める – 製造部 SEIZO-BU

生産管理における「IE」とは?意味・手法を分かりやすく解説!|ITトレンド (it-trend.jp)

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