製造業にも大きな影響が!物流の2024年問題とは?

2024年 05月29日

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製造業と切っても切れないのが製品を運ぶ輸送の業務です。

この記事では、そんな輸送に関わる物流の2024年問題について解説していきます。

目次


物流の2024年問題とは

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2024年問題とは、改正された労働基準法が2024年4月から自動車運転業務に対して残業時間の上限規制を適用することに伴う物流業界の課題のことです。

この規制により、トラックドライバーの労働時間が年間960時間に制限され、物流業界に深刻な影響を与えることが懸念されています。

労働時間制限により輸送能力が約14%(4億トン相当)不足する見込みで、これにより、消費者への迅速な配送が難しくなり荷主が輸送を断られるリスクが高まります。

さらに、労働時間規制により人件費が上昇し、取り扱える物量が減少することで物流業界の売上や利益が減少する恐れがあるでしょう。

具体的な生産性向上策がないまま規制が進むと業務量が限られ、利益を圧迫する可能性が高いです。

また、残業時間の制限により、ドライバーの収入が減少し離職が進むことが予想されます。

宿泊を伴う長距離輸送も制限されるため、収入が減少し人材確保が困難となり、人材不足が加速する恐れがあります。

2024年問題は、物流業界にとって重大な課題であり、労働時間の短縮に対応するための新しい働き方や効率的な物流システムの構築が急務です。

2024年問題で予測される一般的な影響

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2024年問題で予想される一般的な影響はどのようなものなのでしょう。

ここからは、そんな2024年問題の一般的な影響について解説していきます。

物流コストの増加

2024年問題の規制適用後、一人当たりの労働時間が制限されるため、従来と同じレベルの業務を維持するには追加の労働力が必要です。

しかし、労働力人口が減少している現在、労働者を増やすには給与引き上げなどのコストがかかります。

これらの増加したコストは、商品の値上げなどを通じて消費者に転嫁されることが予測されます。

企業利益の圧迫

増加したコストを商品の値上げで補填しようとしても、その全額を価格に転嫁できるわけではありません。

仕入れコストが上昇する一方で売上が据え置かれると、実質的な利益減少が発生します。

この状況は運送業や物流業だけでなく、それらを利用する製造業や小売業など幅広い産業に影響を与えます。

企業は収益性の低下に直面し、経営の圧迫を感じることになるでしょう。

働き手の収入低下と労働力不足

時間外労働の上限規制により、働き手の過重労働は是正されますが、労働時間が減ることで収入も減少する可能性があります。

特にトラックドライバーは、規制適用前よりも収入が減少し、十分な収入を確保できなくなるリスクがあるでしょう。

このような状況では「稼げない職種」と見なされ、人手不足がさらに深刻化する恐れがあります。

結果として、全体的な労働環境の悪化と生産性の低下が懸念されています。

2024年問題が製造業に与える影響

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2024年問題は、製造業にも深刻な影響を与える恐れがあります。

製造業は、原材料や部品の調達から製品の製造、販売企業への納品、最終的には消費者への配送まで、物流に大きく依存しています。

そのためトラックドライバー不足により物流が滞ると、原材料や部品の調達が遅れ、生産計画が乱れる可能性があるでしょう。

これにより、製品の納品も遅れ、取引先や顧客との信頼関係が損なわれることも考えられます。

さらに、ドライバー不足に伴う物流コストの高騰も製造業にとって大きな問題です。

物流業界全体で需給バランスが崩れ、仕入れコストが上昇すると、製造業の利益率が圧迫されます。

その結果、製品の価格を値上げせざるを得なくなり、競争力が低下する可能性があるでしょう。

このような状況を受けて、製造業では2024年問題を自社の課題として捉え、ITやAI技術を活用して業務の効率化を進めている状況です。

例えば、物流の最適化や自動化を図ることで、トラックドライバーの不足に対応し、生産性を維持しようとしています。

また、積載効率を高めるためにパレットや段ボールのサイズを統一し、トラック内のデッドスペースを減らす取り組みが行われています。

このように製造業と物流は密接な関係にあり、2024年問題に対する適切な対策が求められており、今後もお互いに協力して物流の2024年問題を解決していく必要があるでしょう。

まとめ

2024年問題を理由とした人材不足が叫ばれる中、給与の引き上げなどドライバーの労働状況が改善されなければ製品が届かないなど影響がさらに大きくなる可能性も考えられます。

ドライバーの待遇も改善しつつ、輸送の効率化も物流会社と協力してお互いにwin-winを目指していけるとよいでしょう。

参考URL
物流の2024年問題とは?各業界への影響や対策を解説|正社員・期間工・派遣の 工場求人情報なら,はたらくヨロコビ.com (894651.com)

物流業界だけじゃない「2024年問題」の影響とは?|ランスタッド法人ブログ (randstad.co.jp)

2024年問題とは?物流業界における課題と対応策をわかりやすく解説 | 解説法人のお客さま | 日本郵便 (japanpost.jp)

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