製造業における作業日報とは?
2024年 06月29日
日々の業務進捗等を記入する作業日報ですが、製造業においてはどのように書けばよいのでしょう。
この記事では、そんな製造業における作業日報について解説していきます。
目次
- 作業日報とは?
- 製造業における作業日報の意味は?
- ミスの事例や対策の蓄積
- タスクの整理
- 生産状況の社内共有
- 作業日報に書くべき項目は?
- 製造業の日報の書き方は?
- その日に作成する
- 簡潔にする
- なぜ日報を書くのかを意識する
- 作業日報の保管期間
- まとめ
作業日報とは?
作業日報とは、従業員が1日の業務内容、達成状況、労働時間などを記録する文書です。
作業日報を付けることにより業務の進捗状況や問題点を把握し、効率的な業務運営や改善策を立てることが可能となります。
また、作業日報は従業員の労働環境や安全を確保するための重要なツールです。
作業日報の作成は法律上の義務ではありませんが、労働安全衛生法第29条に基づき社内義務とすることが推奨されています。
この法律には「元方事業者は、関係請負人または関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律またはこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行わなければならない」と規定されています。
つまり、作業日報を義務付けることで「是正のために必要な指示が行われていたのか」「規定に違反していないのか」といった内容を記録し、確認することが可能です。
多くの企業が作業日報の作成を導入することで、業務の効率化や労働環境の改善を図っています。
作業日報を利用することで、従業員の作業状況の把握、問題点の早期発見、適切な指示の履行状況の確認ができ全体的な業務の質を向上させることが可能です。
製造業における作業日報の意味は?
製造業における作業日報は、現場の運営と効率化において極めて重要な役割を果たしています。
ここからは、作業日報の意味について解説していきます。
ミスの事例や対策の蓄積
1つめの作業日報の意味は、ミスの事例や対策を蓄積することです。
製造過程で発生するエラーやミスは、コスト増に直結するため、同じエラーを繰り返さないことが重要となります。
作業日報にエラーの詳細とその対策を記録し、会社全体の情報資産として蓄積することで、後々の予防対策に役立てることができます。
タスクの整理
作業日報を書くことで、自分が何をどれだけ進めたのかを明確に把握することが可能です。
この過程を通して、自身のタスクを整理し、優先順位をつけることができます。
また、自身の生産性向上や緊急度の高いタスクの発見にもつながります。
これにより、作業効率の向上が期待できるでしょう。
生産状況の社内共有
作業日報は、上司や同僚への情報共有のツールとしても有効です。
管理者は、これを基に生産管理や作業負荷の確認を行います。
特に複数拠点を持つ企業や営業部門と連携が必要な場合、日報から得られる生産状況の情報は経営の重要な指標となるでしょう。
また、日報を通じて生産計画と実際の進行状況のズレを確認することができ、計画の精度向上や無理のない稼働量の設定に役立ちます。
作業日報に書くべき項目は?
製造業における作業日報で書くべき項目は下記のとおりです。
・当日の計画
・当日の結果
・社内への共有事項
・翌日以降の作業について
製造業の作業日報では、計画に基づいた進捗状況が問題ないかという視点から管理されることがほとんどなため上記4点を中心に作業者には記入してもらうとよいでしょう。
製造業の日報の書き方は?
ここからは、製造業の作業日報の書き方について解説します。
その日に作成する
日報は、当日中に作成することが重要です。
日報はその日のうちに提出することで、エラーの予兆を見逃さず、対処の遅れを防ぎます。
業務の最後にまとめて書くのが難しい場合は、1日のうちに定期的にメモを取ると効率的です。
簡潔にする
日報は、簡潔にわかりやすく書くことが大切です。
記入内容は、5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なにを、なぜ、どのように)を明確にすることで、誰が読んでも理解しやすいものにします。
特に数字に落とし込める箇所は正確に記載し、必要に応じて画像や動画、資料を併せて共有すると効果的です。
なぜ日報を書くのかを意識する
日報の目的を意識することも重要です。
管理者は日報にどのような数字が必要か、事実と解釈を分けて記載できているか、必要性を周知できているかを設計段階で考慮します。
記入者も日報の意義を理解し、事実と所感を切り分け、直接現場を見ていない人にもわかりやすい内容にすることが求められます。
これらのポイントを意識して作業日報を作成することで、業務の効率化やエラーの早期発見につながり、製造現場全体の改善に繋げることができるでしょう。
作業日報の保管期間
製造業の作業日報は、3年を目安に保管期間を定めておくとよいでしょう。
根拠としては、安全衛生委員会議事録などの資料が安衛則23条により3年以上保管することを義務付けられているからです。
作業日報が安全衛生委員会議事録に該当する場合、必ず3年以上の保管をしましょう。
まとめ
作業日報は、一見すると工数も取られて大変なものに見えますが効果的に活用することで会社や作業員のメリットにも繋がります。
そのため、業務改善を進める計画があるのであれば、ぜひ作業日報を取り入れてみてはいかがでしょう。
参考URL製造業の作業日報の書き方とコツ、テンプレートまでご紹介 – 日報共有アプリgamba! (getgamba.com)
作業日報ってどう書くの?書く目的や内容、テンプレートをご紹介! – 現場改善ラボ (tebiki.jp)