物流コストを下げられれば利益が上がる?製造業における物流コストの削減方法は?
2024年 11月19日
物流コストは、製造業において利益に直接関わってくる部分です。
この記事では、そんな物流コストについて解説していきます。
目次
- 物流コストとは
- 物流コストの内訳
- 運送費
- 保管費
- 荷役費
- 物流管理人件費
- 包装費
- 物流コストを削減する方法
- 在庫削減
- 物流拠点の集約
- 物流プラットフォームの活用
- 倉庫作業の効率化
- 物流管理システムの導入
- アウトソーシング(3PL)
- まとめ
物流コストとは
物流コストとは、商品を移動・保管・取り扱う過程で発生する一連の費用のことです。
多くの人が物流コストを「輸送費」として捉えがちですが、実際にはそれだけではなく商品の包装、倉庫での保管、在庫管理さらには物流業務を管理するための人件費などです。
物流コストは企業にとって重要な経費であり、効率的な管理と削減が求められます。
物流コストは主に以下の3つの視点から分類されます。
①ミクロ物流コスト
各企業の物流コストを示す指標で、売上高に対する物流コストの割合などです。
この指標は、企業がどれほど効率的に物流を行っているかを把握するために活用されます。
②マクロ物流コスト
国全体の物流コストの総額を示すもので、GDPなどの経済指標に対して推計されるものです。
マクロの視点では、物流コストが経済全体に与える影響を評価することができます。
③企業物流コスト
企業が実際に物流業務を行う際に発生する具体的な費用です。
運送費、保管費、包装費、物流管理に関わる人件費などが含まれます。
企業にとっては、このコストをどのように効率的に管理し削減するかが重要な課題となります。
物流コストの内訳
物流コストは、商品の移動、保管、取り扱いに伴うさまざまな費用から成り立っています。
主な内訳は次の通りです。
運送費
物流コストの中で最も大きな割合を占めるのが運送費です。
これは、商品の輸送にかかる費用で、トラック、船舶、飛行機などを使用して商品を移動させる際に発生します。
運送費は輸送距離、輸送手段、商品量、季節などの要因によって変動しこれを削減できれば全体の物流コストの大きな削減に繋がります。
保管費
保管費は、商品を倉庫で保管する際に発生する費用です。
倉庫の賃貸料、保管料が含まれ商品のサイズや数量、保管期間などによって変動します。
在庫の回転が遅くなると、保管期間が長引きコストが増大するため効率的な在庫管理が重要です。
荷役費
荷役費は、商品の入出庫時に発生する費用です。
具体的には、商品の搬入(入荷)や出荷時にかかるコストさらに梱包作業にかかる費用も含まれます。
商品がどのように取り扱われるかによって、荷役費は大きく変動します。
物流管理人件費
物流業務を管理・運営するために必要な人件費も重要なコスト項目です。
これには在庫管理や配送手配、配送業者との調整などを行うスタッフの人件費が含まれます。
社内物流費や調達物流費などもこのカテゴリに入ります。
包装費
包装費は、商品の出荷前に行われる梱包作業に関連する費用です。
ダンボール、緩衝材、テープ、フィルムなどの梱包資材費用やこれらの作業にかかる人件費も包装費として計上されます。
適切な包装は商品の破損防止に役立つ一方、コストがかかるため効率的な梱包方法の選定が求められます。
物流コストを削減する方法
物流コストを削減するためには、まず自社のコストを正確に把握し削減可能な部分を見極めることが重要です。
以下に効果的な削減方法を紹介します。
在庫削減
在庫を適正化することにより、保管スペースや管理コストを削減できます。
過剰在庫は保管費を無駄にし、キャッシュフローにも悪影響を与えるため需要予測の精度向上と在庫管理の効率化が重要です。
物流拠点の集約
複数の物流拠点を統合することで、倉庫賃貸料や保管費、管理コストを削減できます。
また、運送効率が向上し輸送距離が短縮されることで運送費の削減も可能です。
拠点集約により、手待ち時間の削減や輸送効率の向上も期待できます。
物流プラットフォームの活用
複数企業が協力して共同配送を行うことで、輸送の無駄を減らし効率化を図ることができます。
また、モーダルシフト(鉄道や船舶などへの転換)を推進することで環境負荷を軽減しながらコスト削減を実現することが可能です。
異業種連携で交通網を有効活用する動きも進んでいます。
倉庫作業の効率化
倉庫内の作業ルールを整備し、スタッフに徹底させることで作業効率が向上します。
5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)などの手法を導入することで、ミスや時間の浪費を防ぎ作業の無駄を減らすことが可能です。
物流管理システムの導入
物流管理システム(WMSやTMS)を導入することで、在庫管理や配送業務を効率化できます。
RFIDやバーコードを活用すれば、商品管理の精度が向上し作業時間や人件費を削減できます。
また、トラック予約システムを使ってドライバーの待機時間を減らし輸送効率も向上させることが可能です。
アウトソーシング(3PL)
物流業務全体を外部の専門業者に委託することで、効率化とコスト削減が期待できます。
3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を活用すれば、物流業務の最適化が進み自社で行っていた業務を省力化可能です。
これにより、コア業務に集中できるようになり全体的なコスト削減につながります。
まとめ
物流コストを適切に管理・削減することは、企業の競争力を高め利益改善に直結します。
自社の物流業務を見直し、効率化を進めることでコスト削減が実現可能です。
これらの方法を組み合わせることで、より効果的に物流コストを削減し持続可能なビジネス運営を支えることができます。
参考URL物流コストを削減するには? コストが上昇する原因や削減のアイデア等を解説!
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