在庫は財産??

2019年 06月30日

決算が近づくと、街のいたるところ、ネットショップのいたるところで
「在庫一掃セール」などという文字を頻繁に見かけるようになります。
在庫は会社の財産にもなりますが、粗利を決める指標ともなります、
どんなに数字上の売り上げが良くても、ロスがあれば会社の利益となる、
粗利にはつながりません。
だからこそ、在庫を「正確に把握する」ことはとても大切になってきます。

では、在庫を正確に把握するのは何をやれば良いのでしょうか?
また商品ロスはそんなにも危険なものなのでしょうか?

粗利益の算出方法は簡単で、売上高から売上原価をひく、
という計算方法を使いますが、正しく算出するためには、
仕入高在庫高を正確に計算しなくてはなりません。
そんなの仕入れ伝票をチェックすればすぐにわかるんじゃ…?
なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、在庫高は売上による計算と、
実際に残っている在庫数が異なる事が多くあるので、
すぐに正しく算出する事が出来ないのです。

そこで行われるのが「棚卸し」です。
棚卸し作業は、実際に店舗に残っている在庫の数を正確に把握するための作業であり、
棚卸しで在庫数を出す事により、本当の売上高を知る事ができ、
粗利を算出する事ができるのです。
以前、こちらのブログで日本最古の勘定帳をご紹介し、
江戸時代初期から既に在庫管理や利益管理の概念があったことに
驚きましたが、もしかしたらあの時代は棚卸しの時点で
ネズミに食べられている事が発覚…なんて事もあったのかもしれませんね。

現在では倉庫の管理や衛生状態がよくなったため、
ネズミに食べられてしまって在庫が減るようなことは滅多にないと思いますが、
販売すること以外で在庫が減ってしまうのが「商品ロス」となります。

商品ロスが出る原因は、大きく分けると万引きと廃棄ロスの二つ。
万引きは多くの場合すぐに発見できるため商品ロスの理由も分かりやすいのですが、
廃棄ロスは正確に把握する事が難しく、注意しなければなりません。
商品があるにも関わらず販売できない状態になってしまっているため、
廃棄する事になってしまうのが廃棄ロスです。
先ほど触れたネズミに食べられてしまったような状態はまさに廃棄ロスと言えるでしょう。
現在ではネズミに食べられてしまうことはあまりないと思いますが、
食品であれば消費期限や賞味期限が切れてしまったもの、
保管状態や取扱状態が悪いせいで破損してしまい、
廃棄するしかなくなったものが廃棄ロスとなります。

しかしこのような明らかな廃棄ロスはまだ目に見える分対策がしやすいのですが、
p厄介なのが「陳腐化」による廃棄ロスです。
陳腐化とは市場においての価値が低下してしまったもののことを言います。
この陳腐化による廃棄ロスは、棚卸しの段階ではただの在庫となるため、
廃棄ロスの数字として把握できない「隠れロス」となってしまい、
最終的に経営悪化の引き金になりやすいのです。

在庫には税金もかかってきますから、在庫は全て財産だと思いただ保管していると、
最終的には陳腐化した商品で溢れかえり、隠れロスであると判明した瞬間に商品ロスとして
表面化し、粗利益が大幅に削られることとなってしまいます。
在庫は財産であり、同時に自分たちの首を絞める武器ともなり得る、
ということをよく頭に入れて在庫管理をすることを肝に命じておきたいですね。

(via 店舗運営の武器)

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