製造業が取り組むべきSDG’sアクションは?

2021年 02月26日

世界中でSDG’sに取組む企業が急増しています。
製造業であっても、この世界的な潮流を避けて通ることはできません。
しかし、製造業としてはどんなところからSDG’sに取組むべきなのか、取組みによってどんなメリットが生まれるのか。
新しい概念であるだけに、分からないことが多いのも事実です。
ここでは、SDG’sとは何か、その取組みのメリットは、そしてどこから取組むべきかなどについてお話します。

SDG’sとは

SDG’sは「Sustainable Development Goals」の略で、「エスディージーズ」と読みます。2015年9月にニューヨークの国連本部で「国連持続可能な開発サミット」が開かれ、その中で「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
これは、2016年~2030年の15年間に世界が達成すべきゴールを示したもので、これがSDG’sと呼ばれています。
SDG’sは、17の目標と169のターゲットで構成されています。

SDG’sの17の目標は、世界共通で誰にでも分かりやすいようなカラフルなアイコンで表現されています。
このアイコンを印刷物やバッチなどでご覧になった方も多いと思います。17の目標の中には、「エネルギー問題」や「環境問題」「働きがいと経済成長の両立」「つくる責任 つかう責任」など製造業にとっても見逃せない重要な目標が含まれています。

SDG’sは、世界各国が共同して取組むべき国際目標であり、各国政府をはじめとする行政セクターはもちろん、企業やNPO/NGOといった民間セクターも含めた世界中のすべての人たちが主体的に取組んでいくことが求められています。
これまで、多くの企業が「CSR(企業の社会的責任)」の一環として、本業とはあまり関わりのない社会貢献活動に取組んできました。
しかし、SDG’sでは各企業がそれぞれの本業を通して目標達成に取組むことが重要だとされています。

SDG’sに取組む企業のメリット

それでは、企業としてこのSDG’sに取組むメリットはどのようなところにあるのでしょうか。次のようなメリットが考えられています。

・SDG’sの目標達成につながる新しい製品・サービスを開発することにより、
 新規の市場が開拓でき、新たな事業機会が創出される
・市場の評価が高まり、顧客に良い企業イメージを与えることができる。
・投資家の評価が高まり、資金調達がしやすくなる
・政府・行政機関から評価され、入札などに有利となる
・従業員の意欲やモチベーションが向上する
 SDG’sに取組むことで、こうした直接、間接のメリットが生まれてくると期待されています

製造業はどう取組めば良いのか

SDG’sでは、業種ごとのゴールが決められているという訳ではありません。
自社で実現できそうなゴールを判断していくのです。
製造業で取組むためには、開発から製造、輸送、販売、最終的な廃棄までの各ステージごとにSDG’sに取組めないかを整理して考えてみると分かりやすくなります。

開発/改良

SDG’sのゴールに適合する製品が開発できないか。
既存の製品であってもSDG’sに適した製品とするための改良ができないかを考えてみましょう。

調達

自社で調達している原料や部品について、児童労働や強制労働、長時間労働、雇用差別などで生みだされたものではないことを確認しましょう。

製造

労働災害を起こさない製造ラインにする。
ロスの生じない製造方法を考える。
女性も働きやすい職場環境を作る。
工場の屋根に太陽光発電パネルを設置する。
外国人技能実習生の労働環境を整備する。
など、製造の部分で出来ることはたくさんあります。

輸送

材料の仕入れからはじまって、製品の納品まで、各段階で出来る限り輸送の距離を縮め、エネルギー削減を考えてみましょう。

販売

過剰な包装をしていないか。
包装資材として生分解性のプラスチックやFSCで認証された紙を使えないかなどを検討してみてください。

廃棄

製品が使えなくなった時に、部品の交換だけで再生できるような設計。
廃棄の際に分別のしやすいデザイン。
リサイクルのしやすい原料の採用など、廃棄の段階でもSDG’sに適合したアクションをめざすことができます。

SDG’sは、世界中の全人類がめざすべきゴールです。
SDG’sの主旨をよく理解しておけば、製造業の仕事の中でも取組めるアクションがたくさんあります。
生産効率の向上だけでなく、SDG’sとの共存を考えていくことは、これからの製造業にとって重要なミッションであるといえます。

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