フィギュア製造の現状と課題
2018年 07月30日
今やすっかり市民権を得た感のある「フィギュア」。
ひと昔前はいわゆるオタクの人のもの、というイメージでしたが、
その高い技術力と美術品としての価値が認められ、
海外からわざわざ日本にフィギュアを買いに来る観光客も後を絶ちません。
そんな中、日本のフィギュアメーカーは次々に製造を海外へ委託。
日本のメーカーであっても、製造に関しては全て中国、というのは
当たり前の風潮となっていました。
しかし昨年12月、「ねんどろいど」で人気の企業「グッドスマイルカンパニー」が、
鳥取県倉吉市に同社としては国内初となるフィギュアの製造工場
「楽月工場(通称:ラッキーファクトリー)」を新設し、話題を呼びました。
他社とは異なる動きですが、なぜこのタイミング、
そして何故鳥取県が選ばれたのでしょうか。
こちらのインタビューにおいて、代表取締役社長安藝貴範氏が
その様々な疑問に答えていました。
インタビューからは、フィギュアの製造工程の複雑化、
中国での人材確保の難しさなどが語られています。
特に、中国での人材確保の難しさについてはグッドスマイルカンパニーだけではなく、
フィギュア業界全体が抱える問題だということがわかります。
リスク分散の観点から、中国以外の国(フィリピンやベトナムなど)に
工場を移すケースも増えているのだそうです。
そんな中、同社が敢えて「国内」を選んだ理由については、
働く人の習熟度の高さ、安定的に長く働いていれる人材の確保などを
挙げていました。
鳥取県を選んだ理由については、
一番熱心に誘致を行ってくれたからだという事も明かしています。
鳥取県は「まんが王国」を政策として打ち出しており、
カルチャーに対しての理解が深いのだそうです。
また、倉吉市は工場地帯のため、周辺に金型屋さんなどの生産インフラも整っており、
もともと工場で働いていた人が多いため、ポジティブに捉えてくれる人が多かったとも。
しかし、そのような理由は、確かに理由の一つではあるけれど、
理由の全てであるわけではない事が、インタビューからは伝わってきます。
安藝氏は「イノベーション」という言葉を使いながら、
業界全体の未来を見据えている事を明かしています。
変化し続けるホビー業界への挑戦として、
この試みはどのような結果を生むのでしょうか。
今後の展開が楽しみですね。
ご興味がある方は、こちらからインタビューを覗いてみてくださいね。
(via マイナビニュース)