サグラダファミリア、IT駆使で150年工期短縮

2018年 10月25日

着工から150年を経ても、今なお建設という、
スペインの珍しい世界遺産「サグラダ・ファミリア」。 しかし「完成しないこと」がアイデンティともなりつつあったサグラダファミリアが
なんと「2026年に完成する」というニュースが飛び込んできたのですから驚きです。
2026年というと、今から8年後。
完成までをCGで再現した動画がこちらです。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=56&v=RcDmloG3tXU

この動画を見ると、正直「あと8年でこんなに…できるの?」と思ってしまいますが、
その驚異的な工期短縮の見込みの裏には、一体なにがあったのでしょうか。

まず、そもそもなぜそんなに建設に時間がかかっているのかというと、
サグラダ・ファミリアの全貌は設計者であるガウディの頭の中にしか
存在しなかったと言われていて、
頼りにできるのはたった1枚のスケッチのみという状態。
ガウディ亡き後は、弟子たちが作った数々の資料がありましたが、
それもスペインの内戦で焼失してしまうというアクシデントもあり、
その建設は常に「手探り」状態で進められてきました。
そもそも、よくそんな状態から建物を作ろうと思ったな…
と素人は考えてしまいますが、それでも作りたい!という
みんなのロマンがあの素晴らしさを生んでいるのでしょう。

そんな「それでも作りたい!」という気持ちに、技術が追いついたのがこの21世紀。
今まで手探り状態だった建設が、IT技術を駆使することでクリアになってきたのです。
構造実験のための模型も今までは手作業でしたが、
CGと3Dプリンターの発達で簡単に実験が行えるようになったのです。
今までは新しい部分と作ると同時に既に完成した部分の補修も
同時に行わなければいけない状態でしたが、
各技術の発達で一気に時間を稼ぐことができるようになったようです。

また、長い建設期間でサグラダファミリア自体が観光施設となり、
観光客が増えたことで予算も潤沢になったことで、
建設がスムーズになった、というのも工期短縮の理由のひとつなのだそうです。

因みに、着工から長い時間が経ってしまったがために、
こんなニュースも飛び込んできました。
→サグラダ・ファミリアは違法建築 解決金47億円
むしろ1885年にきちんと建築許可を得ていたことの方が驚きです。

いつまでも完成しない様子を喩える際に「まるでサグラダ・ファミリアのよう…」
なんて使われてきましたが、もう終わりが見えてしまった以上、
その例えはこれから使えなくなるかもしれません。

因みに「日本のサグラダ・ファミリア」なんて言われている、
いつもどこかが工事中の「横浜駅」の完成は今のところ未定。
完成が見えないものに対して、「まるで横浜駅のよう…」
なんて言われる日も近いかもしれませんね。

(via tripa

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