労働時間貯蓄制度とは?

2019年 05月31日

皆さんは慌ただしい朝の支度の時間、テレビをご覧になりますか?
特に内容をじっくりと見ることはないけれど、天気予報も見れるし、
コーナーごとに時間が大体わかるので時計がわりにつけている…
という人も多いかと思いますが、NHKの朝ドラは、
時計がわりに…と思ってつけていても思わず引き込まれる内容も多く、
朝から涙を流してしまうなんて経験をした人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなNHKの「連続テレビ小説」が、来春放送分から、
土曜日の新作放送を無くす検討をしているというニュースが先日ありました。
これは、働き方改革の一環で、制作現場の負担を減らす狙いがあるようです。

このように、最近は働き方改革に関するニュースを耳にする事が多くなってきた日本。
しかしまだまだその改革は始まったばかり。
まさに過渡期とも言える今は、混乱も多いなというのが正直な印象です。
では、日本以外の先進国ではどのような働き方をしているのでしょうか。

先進国の中でも有数の生産性を誇るドイツの事情を見てみましょう。
ドイツでは「労働時間貯蓄制度」という制度を導入する事で、
その生産性の高さを誇っているのだとか。
読んで字のごとく、労働者は労働時間専用の講座を用いて、
残業や休日出勤の労働時間を「貯蓄」し、
有給休暇などに充てる事ができる、というこの制度。
一律に「残業はダメ!」と決めてしまうよりも柔軟性が高く、
繁忙期の対応もしやすいため、臨機応変に対応可能なシステムです。
しかも、ドイツと日本の平均労働時間を比較してみると、
ドイツは1418時間、日本は1771時間と、
ドイツは日本に比べ20%も少ないにも関わらず、
労働生産性はなんと日本の1.5倍。
それならば是非日本でも取り入れてもらいたいものですが、
メリット、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

メリット
・労働者のワークライフバランスの向上
・労働者が長期休暇などを取りやすくなること
・過重労働の防止による企業のホワイト化
・煩雑な残業管理の事務コストを削減
・人材確保や若手の起用につながること
が見込める

デメリット
・労働者の休暇の取り方がまちまちになり、連絡などでのトラブルが予想される
・自らで労働時間を管理する責任の重さや時間管理能力のなさを起因としたストレス
・職場環境が休暇を取りにくい状態の時、サービス残業を生んでしまう
といった事が懸念されています。

ドイツでは仕事は個人に振られるものではなく、グループで取り組まれるもの、
という基盤があり、誰かが休んでも仕事が回るようにシステム設計されています。
また、休暇を取ることに罪悪感や不便さを覚えることはなく、
当然の権利であるという認識があります。
ドイツが労働時間貯蓄制を導入し成果を挙げているのは、
このような前提が国民に行き届いているというのは大きそうです。

良い効果が見込まれる反面、個人として考えなければならない事も
増えてきそうな「労働時間貯蓄制」の導入。
言われたことをただやる、というのが比較的楽だと考えてしまう
日本人にとっては、まだ少しハードルの高い制度かもしれませんね。

(via ソムリエ)

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