「カイゼン」の本質って?
2019年 07月31日
以前、こちらのブログで「オフィスをカイゼンしたければ…」
という記事を書かせていただいたことがありますが、
この「カイゼン」という言葉、どこから来た言葉なのがご存知でしょうか。
「カイゼン」=「改善」は、現在では海外でもそのまま「kaizen」と表現されるほど、
現在は世界規模で取り組まれている取り組みのひとつで、
主に製造業の生産現場で行われている作業の見直し活動のこと。
作業効率の向上、安全性の確保などについて上から支持されるのではなく、
現場が中心となって知恵を出し合い、問題を解決していくという特徴があります。
元々は製造業現場で使われていた言葉でしたが、
最近はサービス業などにもその取り組みが広がりつつあります。
トヨタの行動規範として掲げられており、現場の日々の業務でも実践されている
「カイゼン」ですが、これを続けることでどのような組織になることができるのでしょうか。
・組織が常に進化するようになる
現場で「標準」を共有し、まずはみんなが「標準」通りにできる事を目標とします。
そしてその「標準」を達成した後は、自然とより上の「標準」という目標を共有できるのです。
自然と目標がどんどんレベルアップしていくため、
組織も常に進化し続けるというサイクルが出来上がります。
最初から最上位レベルを目指すのではなく、まずはその現場がどのレベルにあるのか
把握し、目指すべきレベルを設定するのです。
・縦・横のコミュニケーションが活発になる
トヨタの現場で必ず実行される5Sをご存知でしょうか?
Seiri=整理 Seiton=整頓 Seisou=清掃 Seiketsu=清潔 Sitsuke=躾
の5つの頭文字をとったものですが、その目的は綺麗になる事で嬉しくなる、
というような心理的な効果ではなく、仕事の生産性を上げる事を目的としています。
トヨタでは仕事の生産性を上げる事を目的として、コミュニケーションにも重きを置いています。
縦のコミュニケーションは、基本がボトムアップ。
現場から組織の上層部に働きかけ、
様々なアイデアを会社運営のプロセスに取り入れられるようにする事で、
自らのアイデアが会社に貢献しているという満足感から現場のモチベーションは向上し、
更に現場は進化していきます。
また、カイゼン活動のテーマが壮大になる程多くの人・部署の協力が必要になるため、
部署間の連携も進み、更に部署間で切磋琢磨する風土も生まれます。
他の職場での好事例を自分の職場にも取り入れようという横のコミュニケーションができ、
組織全体の進化を後押ししていくのです。
組織が常に「進化」し続ける、カイゼン活動。
目指すレベルがどんどん進化し、縦横の密なコミュニケーションを通じて
全体が一体となって成長する組織を作り上げられると、人が交代しても時間が経っても
常に組織が進化している状態になります。
正に「生き物」のようですね。
女性の出産育児に伴う勤務の問題や、病気での長期離脱などの問題も、
もしも組織が常に進化している状態を保つことができれば、
そこまで大きな問題にならずに済むのではないでしょうか。
カイゼンがもっともっと広がり、そのような組織が増える事を願うばかりです。
(via msn)