社員教育で、DXを推進しましょう

2021年 12月23日

昨今、事業構造の改革や業務改善をめざしてDX(Digital Transformation / デジタル・トランスフォーメーション)を推進する企業が増えてきています。しかし、DXを成功させ、業務の効率化や事業変革を実現するためには、従業員へのDXリテラシー教育が不可欠です。
今回はDXリテラシーとは何か?その概要とDXリテラシーの重要性、ITリテラシーとの違い、さらにDXリテラシーの教育方法なども解説します。

DXとは?その定義は?

DX(Digital Transformation / デジタル・トランスフォーメーション)とはどんなことなのでしょうか。
2018年に経済産業省が公表した定義によれば「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と具体的に定義されています。
要約すれば、デジタル技術を活用してビジネスを変革していこうというのがDXです。

従業員のDXリテラシーを高めることが重要。

社内でDXを推進していくためには、「DXのことを正しく理解して活用できる能力=DXリテラシー」を高めていく必要があります。
DXを進めるにあたっては、従業員のDXリテラシーのレベルがその成功を左右するといっても過言ではありません。社内でDXを推進しようとしても、従業員のDXリテラシーが低い状態では、DXを行うための「手段」と「目的」さえ明確に定めることはできません。
DXの推進に役立つデジタルツールが数多く発売されていますが、そのなかから最適なツールを選ぶこともできません。また、目的設定があいまいだと、中途半端な結果に終わってしまいます。
DXを推進し、確実に成功させて、事業を発展させるためには、まず、従業員のDXリテラシーを高める取り組みが必要となります。

DXリテラシーとITリテラシーの違い

DXリテラシーとITリテラシーが混同されがちです。ITリテラシーとは「コンピュータやデバイス、ネットワーク、セキュリティなどIT(Information Technology)に関連する要素を理解して、活用し、使いこなせる能力」を指しています。一方、DXリテラシーは、デジタル技術を理解し活用するだけでなく、その先の業務やビジネスの変革を実現していくための能力のことです。単に、ITを使いこなせることだけではDXリテラシーが高いとは言えません。DXを推進していくためには、DXリテラシーとITリテラシーの両方が必要となりますので、関連づけて認識しておいてください。

DXを推進することで実現できること

DXを推進することで得られる成果を3つご紹介します。

・業務効率化
DXを推進することは、既存のプロセスやレガシーシステムを一新することにもつながります。企業によっては、古い業務システムを使い続けていることで、保守・運用や人件費に多くのコストがかかってしまっている場合があります。
DXを推進する一環として最新の業務システムを導入することで、コスト削減だけでなく、業務効率の向上も期待できます。クラウドの活用によるデータ管理や業務の自動化による業務効率化などの事例は数多く報告されています。

・コストの削減
DXの推進によって、システム関連のコスト削減だけでなく、全社的なコスト削減が実現します。例えば、ワークフローを効率化できるシステムを導入することで、紙での稟議書や印鑑が不要になります。また、経理関係の資料もデジタル化し保存しておくことで、オフィススペースを縮小することができます。さらに、帳票類の印刷費や記入・管理に必要な人件費も削減することができます。
削減できたコスト分を、新しい業務や事業へと振り向けていくことも、DXの目的です。

・働き方改革
DXの推進によって、従業員の多様な働き方が実現します。今日では、コロナ禍の影響で一般的になってきたテレワークも、本来は働き方改革の一環として議論されてきたワーク・スタイルです。
多彩で柔軟な働き方を実現する目的で考え出されたテレワークは、DXと深く関連しています。例えば、社外から会社の基幹システムにアクセスする際の安全性を確保するためのセキュリティ、円滑な情報共有、業務プロセスのデジタル化など。テレワークでしっかりとした成果を上げていくためには、ソフト・ハードの両面からDXを進めていく必要があります。
DXによって、従業員にとって働きやすい環境を整備していくことは、人材採用にあたっても有利に働くことは間違いありません。

DXリテラシーを高める教育方法

従業員のDXリテラシーを高めるための代表的な方法をご紹介します。

・DXリテラシー講座・研修
DXは、今や社会現象ともなっているため、DXを学ぶための講座や研修が数多く登場しています。会社に最適な外部講座や研修を探し、活用していけば効率的にDXリテラシーの学習を進めることができます。
どの講座・研修もDXの基礎から、DXとビジネスとの関係、具体的な業務改善方法などが体系的に学べるようにプログラムされています。
オンライン研修やe-learning方式の講座もあるため、企業の環境に適した学習方式を選ぶことができます。

・ナレッジシェアリング
個々の従業員が持つ知識やノウハウを、同じ組織内の仲間で共有していくのがナレッジシェアリングです。
DXリテラシーを高めるためには、経験者の話を聞く機会を作ることも効果的です。また、DXへの理解は、他社の成功事例などを学ぶことで深めていくことができます。「このデジタルツールを導入したらこんな改善があった」など事例を用いた情報共有をすることが大切です。ナレッジシェアリングは、社内研修のほか、社内SNSなどでも行うことができます。

・DX検定の受検
従業員のDXリテラシーを高めるためには、日本イノベーション融合学会が主催する「DX検定」の受検を推奨することも効果的です。受検を目指すことで、学習のモチベーションも高まります。
「DX検定」では、先端のITトレンドとビジネストレンドに関しての幅広い知識が問われます。60分で120問の知識問題が出題されることになっており、自宅や会社のPCまたはタブレットでのWeb受検が可能です。
スコアに応じてレベル認定証が発行されます。例えば800点以上のハイスコアを獲得すると、「DXプロフェッショナル」として認定されます。

まとめ

今後は、製造業においても、DXの推進は大きなテーマとなってきます。製造ラインを自動化することはもちろん、営業、経理、総務部門も含めた全社的なDX推進がキーとなってきます。
DX推進は、一部の担当者が進めていくだけでなく、全従業員のDXリテラシーを高めていくことが、成功へのステップとなります。従業員がDXリテラシーを高めるための教育プログラムを検討・実施されてはいかがでしょうか。



[参照URL]
Smu-lier / 日本経済新聞

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