現場の仕事を効率化!頼れる産業用ロボットをご紹介
2022年 09月24日
近年の労働力不足から、産業用ロボットが注目されています。産業用ロボットは技術力が上がりどんどん細かい作業や複雑な作業ができるようになっています。この記事では、そんな産業用ロボットについてご紹介していきます。
産業用ロボットとは
産業用ロボットとは、製造工場や食品工場などで自動化を目的とし用いられるロボットのことです。多目的な用途に対応するためのマニピュレーター(機械の腕)と、プログラムで制御する人間で言うと関節のような役割をする複数の軸により構成されています。
人間の手の動きに似たアームは、製品や部品を掴む、離す、台座を回転させる、ロボットアームを伸縮するなどが可能です。産業用ロボット1つだけでは、様々な作業を行うことは難しいですが各工程でそれぞれ適切なロボットを利用することにより、製品の作成を最初から最後までオートメーション化することができます。
ロボットを採用することでライン作業員を削減することができ、人件費や工数の削減が期待されます。削減するだけでなく、作業員を重労働や長時間労働から解放することができ、製品品質の均一化も図ることができるでしょう。
極座標型ロボット
極座標型ロボットは産業用ロボットの元祖と言われています。砲台と同じような旋回軸があり作業を行うアームは上下運動と伸縮が可能なロボットです。
ロボットの広い範囲に先端が届くように考えられている極座標型ロボットは、産業用ロボットの初期に広く普及していきます。
主な用途は、半導体や液晶パネルの運搬等です。
しかし、現在では古いタイプという事もありほとんど使用されていません。
垂直多関節型ロボット
現在、現場で最も普及しているのがこの産業用ロボットです。垂直多関節型は、人間の腕のような構造に近いロボットであり動きの自由度が非常に高いです。
回り込んでの作業も得意としていますが、制御が少し複雑になります。しかし、その分いままで高度な技術を持っている一部の社員しかできなかった溶接や運搬、組み立てのような作業を垂直多関節型ロボットに置き換えることができるようになりました。
また、AIや高度なソフトウェアや組み合わせることで高度自動化の実現が可能となり生産効率が向上することが期待されています。
主な用途としては、自動車ボディの溶接とバイクフレームの溶接作業です。
24時間稼働も可能なので、3交代や夜勤もある工場などで生産性を向上させるのに大活躍できるロボットと言えるでしょう。
水平多関節ロボット
水平多関節ロボットは、組み立てが得意と言われています。水平方向の動きを得意とし関節の回転軸がすべて垂直に揃っているのが特徴です。
高速に移動して平面上の位置を決めてから、先端部分を上下に動かす仕組みから平面的な作業に適しているでしょう。
半導体ウエハの運搬、基盤の組み立てなどの作業が主な使用用途です。
高速での運搬が可能で他の産業用ロボットより低コスト、設置時に必要な面積が小さいなど多くのメリットがあります。
円筒座標型ロボット
円筒座標型ロボットは50年以上の長い歴史を持っているロボットです。旋回軸があり、アームが伸縮するなど極座標型ロボットと似ている部分がありますが、円筒座標型ロボットは上下回転ではなく上下方向に移動します。
極座標型ロボットと同じく産業用ロボット初期の段階では、多くの現場で採用されていました。現在でも、極座標型ロボットとは違い液晶パネルの運搬などで活躍しています。
接地面に対して作業領域が広いのがメリットですが、回り込みが必要な作業に向いていません。
直角座標型ロボット
直角座標型ロボットは、制御がシンプルで扱いやすいのが特徴です。縦横高さという3方向の直行するスライドで動きを実現する直角座標型ロボットは、重量物の運搬に利用されています。
動きとしては、ゲームセンターなどにあるクレーンゲームのような動作をします。作業範囲に比べると設置に必要な面積が大きいですが、精度が非常に高く、繰り返し作業にも問題なく耐えられる優れものです。
パラレルリンク型
パラレルリンク型は、とにかく早く動けるのが特徴です。多関節型ロボットは、関節が直列に繋がったタイプでしたが、パラレルリンク型は並立に配置されています。3本のアームで先端部の位置を制御する方式のものが多く、ベルトコンベヤーで流れてくる食品や部品の選別によく利用されています。
食品工場などの選定では、人が3人必要な作業をパラレルリンク型ロボットに頼ることで非常に高速なピッキングを実現でき1人での作業が可能となます。
生産効率向上のため新たな人員を採用することが必要でしたが、パラレルリンク型ロボットにより新たな人員を採用することなく生産効率を向上することに成功しました。
導入事例
株式会社オタフクソースでは、商品ダンボールのラベル張りに産業用ロボットが利用されています。以前の業務用商品の生産ラインでは、商品ごとに大きさや印字内容が違うラベルを個別に作成し手作業で張り付けていたため、品質のばらつきと作業者への負担が大きかったようです。
そのため産業用ロボットの導入により、作業者の負担軽減と品質のばらつきが減少しました。
このように産業用ロボットを実際に導入することにより、作業効率や品質の均一化を実現することができます。
参考URL 産業用ロボットとは?主な5種類や事例、他のロボットとの違いを解説 | ロボット導入.comブログ | ロボット導入.com (robot-befriend.com)円筒座標型ロボット・極座標ロボット – 思いつくままに (hatenablog.com)
今さら聞けない…垂直多関節ロボットの特徴と構造について解説! | リンクウィズ株式会社 | ソフトウェアによって「ロボット自体が考え、動きを補正する」という新しい価値を提供します。 (linkwiz.co.jp)
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