品質マネジメント7原則とは?

2020年 08月28日

皆さんはISO規格制度についてご存じでしょうか?
「ISO」とは国際標準化機構(International Organization for Standardization)が制定している国際規格のことです。
電気・電子分野以外の製品やサービスが対象とされています。

神奈川トスバックでは以前、ISO規格認証制度についてコラムを書いておりますので詳細は以下の記事をご覧ください。
>>JIS、ISO、IECって何?品質保証の3つの規格認証制度

ISOのマネジメント規格取得にあたっては、マネジメントシステムがISOの求める要求事項に適合していること(適合性)、システムが機能していること(有効性)の2つが求められます。

そこで適合性と有効性を維持したマネジメントシステムを構築するために、骨格となる「品質マネジメント7原則」というものが示されています。
今回はその7原則がそれぞれどういった内容なのかご紹介していきます。

品質マネジメントの7つのガイドライン

品質マネジメント7原則は、文字通り品質マネジメントシステムの規格であるISO9001において、土台となる7つのガイドラインです。
その内容は以下の通りです。

原則1:顧客重視
原則2:リーダーシップ
原則3:人々の積極的参加
原則4:プロセスアプローチ
原則5:改善
原則6:客観的事実に基づく意思決定
原則7:関係性管理

それでは、詳しく説明していきましょう。

原則1:顧客重視

顧客満足は組織を経営していくための究極の目的です。
組織は現在及び将来における顧客のニーズを理解し、顧客から求められる要求を満たし、顧客の期待のさらに上をいく努力をする必要があります。

ここでいう顧客とは、金銭のやり取りを含んだ取引する相手だけでなく、組織が提供する製品やサービスに関わる全ての人のことを言います。
顧客重視とは、単に顧客を中心に経営を行うだけでなく、顧客をマネジメントシステムの一部として捉え、全ての顧客の要求と期待に応えるということです。
ISO9001要求事項の中では「利害関係者」という呼ばれ方をしています。

原則2:リーダーシップ

組織におけるリーダー(経営者)は、品質マネジメントシステムを構築し、実施し、有効性の継続的改善を行う全ての責任を負います。
また、リーダーの「気風」はそのまま「社風」になるため、組織が進むべき道を明確にし、それを組織や顧客に伝達する必要があります。
これらを言語化したものが言わゆる企業の「経営方針」「品質方針」といった組織の方向性を示すものになります。

原則3:人々の積極的参加

マネジメントシステムは、ただリーダーが言語化するだけでは意味がありません。
マネジメントシステムは組織全体の構成員が参加するものです。
顧客満足を高めるという目標に向かって、組織の構成員一人ひとりが自分は何をできるかということを考え、実行していく必要があります。
また、リーダーは組織の構成員が最大限の成果をあげられるよう、役割・責任・権限を割り当てることが重要です。

原則4:プロセスアプローチ

プロセスアプローチとは、組織内の仕事の流れを仕事単位で管理するというものです。
ISO9001では仕事単位(プロセス)で管理を行い、「作業工程の中に無駄な手順が発生していないか」ということを再確認し、品質を高めるために継続的に改善していく必要があります。
一人一人の作業だけでなく、会社全体で組織の目標の達成に向けて、「アプローチ」を行うということです。
組織内だけでなく、組織のモノ・サービスに係る会社外のすべての人が、プロセスの範囲に含まれます。

原則5:改善

顧客の期待に応えるため、組織は「さらに品質を高める方法はないか」ということを継続的に考え、マネジメントシステムを改善していく必要があります。
問題やトラブルがあったときだけではなく、プロセスが上手く行えているときにもより良くする方法がないか考えることが重要です。

原則6:客観的事実に基づく意思決定

組織の目的達成のためには、「客観的事実」に基づく意思決定が必要になります。
抽象的なスローガンや標語ではなく、「客観的事実」=データや記録などに基づいて具体的で明確なものを会社の目標として掲げます。
また、データや記録は闇雲に集めるのではなく、その後活用していくことを踏まえることが大切です。

原則7:関係性管理

組織とその利害関係者は対等で平等です。
そのような考え方に基づき、製品やサービスに関わる全ての人が協力して顧客満足という目標の達成を目指す必要があります。
「金銭を支払っているほうが偉い」のではなく、お互いに恩恵が得られる立場であることを理解し、良好な関係を築いた上で顧客満足を高めることが求められます。


これら7原則について理解を深めることで、ISOの求める要求事項に則ったマネジメントシステムがより構築しやすく、より効果の出やすいものになります。
組織として基本的な事項を改めて言語化したものですが、これらを常に意識していくことが重要です。

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