生産性向上やリスク管理の鍵?製造業における労務管理とは

2024年 01月19日

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労務管理とは、従業員を管理する業務のひとつです。正しい労務管理を行うことで、生産性の向上やリスクの管理を行うことができます。この記事では、そんな労務管理について解説していきます。

目次


労務管理の目的

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労務管理は、従業員が行なっている労働の状況や職場の安全衛生管理などを行う業務を指し、生産性の向上とリスクの回避が目的の業務です。

労務管理がきちんとできていなければ、勤務時間の不正(出勤時間や退勤時間の虚偽申告等)が発生してしまいます。

また、労務管理ができていないと残業の状況や有給の消化状況もわからず業務量が把握できないため過重労働や従業員が健康に働く事ができなくなってしまいます。

過重労働を見逃してしまっているが故にそれが原因で労災が発生してしまえば、最悪の場合工場の停止も考えられるでしょう。

特に製造業は、負傷を伴う労働災害の数値が高く毎年2万件以上の労働災害が発生しています。

製造業において労働災害を起こさないためにも、適切な労務管理が求められます。

企業が行うべき労務管理の内容

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企業内で行う労務管理は、下記のとおりです。

  • 労働契約を結ぶ
  • 労働条件の管理
  • 就業規則の管理
  • 保険手続き
  • 勤怠の管理
  • 社員の健康管理
  • 職場の安全管理

それぞれ詳しく見ていきましょう。

労働契約を結ぶ

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労働契約は、雇用関係を築く際に従業員と会社が取り決める合意書で、その際には労働契約法に規定された5つの原則に従う必要があり、労務管理を行う企業側はしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

これらの原則には、対等な合意、均衡の考慮、仕事と生活の調和、信義にもとづく誠実な行動、権利の乱用防止が含まれています。

同時に、採用時には労働条件通知書を提供し、就業時間や賃金などの契約に必要な詳細情報を明記することが法的に求められています。

労働条件の管理

労働条件の変更や管理に際しては、労働契約を結ぶのと同様に合意を従業員と結ぶ必要があります。

ただし、昇給などの変更が従業員にとって不利益となりにくい場合、合意が暗黙のうちに得られることもあるので慎重に対応が必要です。

逆に、給与の減額など従業員にとって不利益となる変更については、必ず本人の合意を確認しなければなりません。

なお、合意があったとしても、労働基準法に反する条件の変更は許容されません。

就業規則の管理

従業員数が10人以上の場合、就業規則の作成が法的に義務づけられています。

これを労働基準監督署へ届け出た後、ネットワーク上でアクセス可能な形で従業員に周知する必要があります。

就業規則には、労働基準法で規定された絶対的記載事項(賃金や退職など)、相対的記載事項(何らかの制度がある場合記載する事項)、任意記載事項(企業ごとの規定)が分類されており、これらを確認しつつ、内容は業務実態や法改正に応じて適宜変更をする事が必要となります。

変更が従業員に不利益となる場合には、労働条件の変更同様に同意を得る必要があるでしょう。

保険手続き

社会保険は生活リスクに備えて健康保険や国民年金などに加入する保険の総称であり、労働保険は労災保険や雇用保険など、労働に関する保険を指します。

これらの手続きは従業員の採用や退職、育休取得などで必要です。

社会保険は4分の3以上の時間働く正社員が対象で、採用後5日以内に健康保険と厚生年金保険の加入を申請しなくてはなりません。

労働保険も従業員は要件を満たす場合に加入手続きが必要で、採用後翌月10日までにハローワークに提出します。

ただし、労災保険は会社が全額負担するため、採用時の手続きはいりません。

労務管理システムの活用を行うと、このような業務を効率化する事ができるでしょう。

勤怠の管理

勤怠管理は、企業が従業員の勤務状況を把握・管理するプロセスで、ICカードやタイムカードを用いて日々の勤務時間を記録します。

これは適正な給与支払いだけでなく、従業員の健康も守るために重要です。

過剰労働の傾向があれば業務見直しが必要です。勤怠データは適切に管理し、事業場ごとに台帳を作成して賃金支払いに必要な情報を追加することが法的義務となります。

勤怠管理システムや就業管理システムなどのツールを利用すると、これらの業務を効率的に進めることが可能です。

社員の健康管理

企業の生産性向上には、従業員の健康管理が不可欠です。

法令により、従業員の健康を守る安全衛生管理が企業の義務とされており、定期的な健康診断が求められます。

特に、50人以上の企業はストレスチェックが義務付けられ、メンタル管理への意識も高まっています。

従業員の健康管理は労災認定や損害賠償責任のリスクを軽減する一方で、労務管理を行う側の負担も大きいです。

そのため、ITツールや健康管理システムの導入を行う事で、効率化を図る事ができます。

職場の安全管理

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職場環境の改善は、労働者の働きやすさ向上を目指す業務で、長時間労働の抑制、安全と健康の確保、仕事と生活の両立、ハラスメントの防止、高年齢者・障害者の支援、女性の活躍促進が重要です。

対策として、長時間労働抑制では業務の分担体制見直し、ハラスメント対策では対応方針の周知と相談環境整備が求められます。

工場などの現場や自社の問題点を洗い出すことが重要です。

まとめ

労務管理は、企業を存続させていくのに重要な業務です。

正しく行い、生産性の向上とリスク回避を目指していきましょう。

参考URL
労務管理の基本を簡単に解説 管理項目・業務内容・取り組み・資格まで | ツギノジダイ (asahi.com)

工場・プラントにおける労務管理の重要性とは|ALSOK

労務管理の基本!労務の目的や業務内容、人事管理との違いを解説!|ITトレンド (it-trend.jp)

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